日々の天気を追い続ける…仕事の決意に曇りなし ウェザーニューズ・工藤あゆみ

働く女のランチ図鑑 vol.20

 日常生活から災害時に至るまで、天気予報は、私たちの安全で快適な暮らしのために欠かせない情報です。1986年に設立され、24時間365日天気予報などを発信している「ウェザーニューズ」(本社・千葉市美浜区)は、世界最大級の民間気象情報会社。ここで働く工藤あゆみさん(34)に、仕事への思いや、エネルギー源となるランチについて聞きました。

天気予報「精度90%以上」を目指す

 同社は、世界50か国・地域で、天気予報などの気象情報や対応策情報を提供するサービスを展開しています。独自の気象予測モデルをもとに、世界各地で収集した膨大なデータから生み出す予報は、約90%の精度を誇ります。

 工藤さんは、予報センターで天気予報の精度改善に取り組んでいます。

 同社の気象情報サイト「ウェザーニュース」には、一般ユーザーから天気や体感に関する報告が毎日約18万件も寄せられます。こうした情報などと自社の出した予報を照らし合わせて、実際の天気と予報の誤差をチェック。誤差が大きければ、予測システムや運営方法の改善策を提案します。

 「雨予報なのに、朝、カーテンを開けてみたら晴れていた……なんて、本当にがっくりしてしまいます。そうならないためにも改善を続けています」

帰宅後に向けてパワーチャージ

 工藤さんは2015年に、他部署で働く男性社員と社内結婚。現在、1歳の長女がいます。帰宅後は、娘の世話をしながら家事をこなします。時には、娘をあやしているうちに、夕食時間が大幅に遅れてしまったりすることも。

 「子育てはまさに体力勝負。毎日、子どもとの闘いです」。そんな工藤さんのランチタイムは、帰宅後の“闘い”を見据えたパワーチャージの時間です。

この日のメニューは、からあげ、冷や汁、ひじきの煮物、漬物

 最近のお気に入りは、同社が入居しているビルの中にある、見晴らしのよい居酒屋のランチ。腹持ちの良い白米と、肉や野菜がバランスよく取れるメニューを選び、その日の空の動きを眺めながらランチを楽しんでいるそうです。

お天気少女、好きを極める

 天候の変化を追うのが大好きという工藤さんのルーツは、幼少期の経験にあります。長野県出身の工藤さんは、小さな頃から両親に連れられ、北アルプスの山々に登っていたそう。

 登山に天候のチェックは欠かせません。晴れていれば、安全に楽しめる山でも、天候が突然崩れたりすれば、遭難の恐れがあるからです。天気予報を見ているうちに、天候の変化に興味を持つようになったといいます。

 「ラジオの気象通報を聞きながら、自分で天気図を書くような子どもでした。雲ができたり、雨が降ったりといった身近な現象に理屈があるというのが、面白かったのかもしれません」と振り返る工藤さん。中学3年の時には、提出する義務がないのに、夏休みの宿題として、一人だけ天気図を提出して驚かれたこともあったといいます。

 筑波大に進学して気象学を専攻した後、07年にウェザーニューズに入社しました。

社内で学童保育まで

 10年近く、一般ユーザーが目にする天気予報を提供するチームで、予測や予報の解説などを行う業務に就いていましたが、夜勤もある24時間体制の職場でした。やりがいを感じていたものの、子育てとの両立は難しいと考え、育児休業から復帰後の18年秋、現在の部署に異動しました。

「WNI RAIN KIDS HOUSE」と名付けられた保育園。同社が創業した日の天気図をモチーフにしており、雨や傘などのデザインが施されています

 小さな子どもを抱える工藤さんの支えとなっているのが、同社が経営する企業内保育園です。妊娠中から子どもを預けられることが分かっていたので、安心して育休に入り、復職の準備を進めることができたそうです。

 同保育園は、女性社員のキャリアアップを応援するために2015年に設立されました。園内には学童ルームが併設されており、小学校に上がった子どもを預けられます。夕方、学童のスタッフが子どもを小学校まで迎えに行ってくれるし、学校が休みの時も預かってもらえるので、安心して働くことができます。

「結局、日々天気を追いかけるのが好き」

 現在は、天気予報の精度を高める仕事をメインで行っている工藤さんですが、いずれは予測や解説の仕事に戻りたいと考えているそうです。

 「持ちうる全ての知識を生かして、さらに正確な天気の情報を多くの人に伝えたい」と語る工藤さん。自分の知識を生かして予測システムの改善に貢献したいと、子育ての合間を縫ってプログラミングも勉強しています。

 「前の仕事に戻った時に、もっとパワーアップした自分でいたい。でも結局は、日々天気を追いかけるのが好きなんですよね」。一点の曇りもない笑顔で、そう語ってくれました。

(取材・文/メディア局編集部 安藤光里、写真/金井尭子)

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 生き生きと働く女性をクローズアップする「働く女のランチ図鑑」。職場での仕事ぶりや気になるランチの様子をお届けします。

金井 尭子(かない・たかこ)
フォトグラファー

 ニューヨーク市立大学ハンターカレッジ舞台芸術学部卒業。 帰国後は都内の撮影スタジオに勤務し、2011年独立。得意分野は人物ポートレイト。 バンコク発のファッションブランドに夢中で年2回は必ず訪泰。 現在はフリーランスフォトグラファーとして東京をベースに活動している。ホームページ