スマートフォンを使ったコード決済を中心に、新しいキャッシュレス決済サービスが普及してきました。こうしたサービスは、キャッシュバックなどの大型キャンペーンを行うことがあります。還元率が高く、とても魅力的に見えますが、こうしたキャンペーンには乗っかった方がいいのでしょうか。
シェアとデータを欲しがる企業
「タダより怖いものはない」という言葉もある通り、無料で高いポイント還元などを受けられると聞けば、怖いと感じる人がいるかもしれません。わからないと怖く感じますが、企業側の狙いを理解できると、納得して使えるのではないでしょうか。
決済事業者が還元サービスを消費者に対して行うのは、大きく
1.シェアを獲得したい
2.データを集めたい
といった狙いがあります。
現在、コード決済の多くは手数料を取らないことが多いのですが、カード決済では、消費者が利用した際、店舗はカード会社に対して手数料を支払っています。新たな決済事業者にとっては、シェアを大きく獲得すれば、手数料など新たな収入源を作れる可能性も生まれます。
データマーケティングは消費者にもうれしい
「データを集めたい」と聞くと、自分の情報が悪用されそうで怖く感じますが、消費者にとってもうれしい側面があります。
通常、決済データは、「30代・未婚・女性」といったユーザー属性に基づいて、「こうした属性の人は、こういう商品やサービスが好きなのでは?」といったマーケティング分析に利用されます。それによって私たち消費者は、より自分のニーズに近い、あるいは気づいていなかったけれど、あったらうれしい商品やサービスに巡り合える可能性を高めてもらうことができます。
決済事業者に限らず、データのセキュリティー対策には「100%安全」は存在せず、データ流出などの恐れはゼロにはなりません。それでも各事業者は、自社のブランドを担保にして事業に取り組んでいるので、消費者は、それを信じてサービスを利用することになります。
EC(電子商取引)、SNS、金融サービスなどを利用する際には、提供する情報の機密性の高さに応じてメールアドレスやパスワードを使い分けたり、すべての情報を連携させずに、必要な部分だけ連携して使ったりといった工夫を行い、安心と便利の両立を図れるといいですね。
なお、キャンペーンだからと本来欲しくないものを買ってしまったり、キャンペーン対象になる店舗での価格が元々割高だったり値上がりしていたりすると、お得にはなりません。「元々欲しかったものをどうせ買うならキャンペーンを適用する」という購入決定の順番を崩さないよう気をつけたいですね。
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