スポーツで女性を元気にキレイに ドーム・佐藤圭子

働く女のランチ図鑑 vol.18

 筋トレやランニング、ヨガ――日常生活にエクササイズを取り入れている女性が増えています。エクササイズに欠かせないのは、機能的でおしゃれなウエア。なかでも、米スポーツブランド・アンダーアーマーのアイテムは、若い世代を中心に人気を集めています。アンダーアーマーの日本総代理店「ドーム」(本社・東京都江東区)のマーケティング部で働く佐藤圭子さん(37)の仕事ぶりと、毎日を支えるランチに迫りました。

スポーツブラの新しいディスプレイを考案

 女性にとってランニングや激しい運動で気になるのが、胸の動き。上下に激しく動くことで、乳房を支える「クーパー靭帯じんたい」が伸びてしまい、胸が垂れてしまうおそれがあります。こうした事態を防ぐために、アンダーアーマーでは、運動時に胸をしっかりホールドできるよう、バストサイズや用途に合わせたスポーツブラを開発。激しいスポーツ用や、日常でも使えるものなど、約10種類を販売しています。

 佐藤さんは、ユーザーに自分に合ったスポーツブラを選んでもらおうと、チームで商品の違いが一目で分かるディスプレイを考え出しました。

 大小さまざまなポップを使った方法で、運動の激しさに応じて、商品を大きく3つに分けて展示。それぞれの商品にも、速乾性に優れたものや肩周りを動かしやすいものなど、商品の特徴を説明した小さなポップをつけました。「アンダーアーマーを使ったことがない人も選びやすいように工夫しました」と佐藤さん。

販売現場の声を大切に

 ポップを発案するきっかけは、販売店回りをしていた時に、ある店員から「どの商品を選べばよいのか分からないと尋ねる利用客が多い」と聞いたことでした。本社での仕事は多忙ですが、佐藤さんは、なるべく時間を作って店舗に顔を出し、店員からじかに話を聞くよう心掛けているそうです。

 所属しているマーケティング部では、こうした販売戦略のほか、多くの女性にスポーツに親しんでもらうため、マラソンやヨガのイベントを開催するなど、幅広い業務を担っています。「同じ案件はほとんどなく、いつも新しいことに挑戦しています。だから、毎日がとても楽しいんです」と目を輝かせます。

ヘルシーランチでパワーチャージ

 佐藤さんがランチを取る場所は、社内にある「DNS POWER CAFE」です。同社が都内に店舗展開しているカフェで、米や主菜の種類、量などを自由に選ぶことができます。エクササイズに取り組む女性を応援する佐藤さんのランチは、とてもヘルシー。ビタミン豊富なブロッコリーを増量し、ご飯は十六穀米を選んでいるそうです。

 佐藤さんは、2歳と4歳の男の子の母親でもあります。子育てや家事で忙しく、自分の食事が後回しになることも多いそうですが、「その分、ランチで栄養補給しています」。

ジム、美容室、仮眠室――全て社内に

 佐藤さんの健康を支えているのは、ランチだけではありません。社内にあるジムで週1回、汗を流しています。ジムには最新のマシンがそろっており、自分のペースでトレーニングをしてもいいし、事前に予約をしておけば、始業前や昼休みなどにパーソナルトレーニングを受けることもできます。

サーキットトレーニングで汗を流す佐藤さん(佐藤さん提供)

 佐藤さんは、毎週木曜日の朝8時から始まるサーキットトレーニングに参加しています。子供を保育園に送るのは夫の役目なので、佐藤さんは早めに出社して参加しているそうです。

 大事な仕事の日に子どもが熱を出したり、仕事を途中で切り上げて保育園に迎えに行ったりと、仕事と育児のバランスに悩むこともありますが、「体を動かすと、いつの間にか頭の中がクリアになっていくんです。この時間があるから、なんとかやっていけているのかも」。そう教えてくれました。

 2017年にフルオープンした社内には、ジムのほかに、美容室や仮眠室、エクササイズスタジオも設けられており、就業中でも、トレーニングやヘアカットに行けます。

 同社では、スポーツを見ることも仕事のうち。職場の壁には巨大なスクリーンがあり、社員からのリクエストに応じて、夏の高校野球甲子園大会やサッカーW杯などの試合を映しています。「時には仕事の手が止まって、みんなで盛り上がるのも楽しいですよ」と佐藤さん。

内側からも外側からも女性をキレイに

 佐藤さんがドームで働き始めたのは7年前。大学を卒業後、大手化粧品メーカーの美容部員として働き、口紅やアイシャドー一つで女性を美しく、元気にすることができる仕事にやりがいを感じていましたが、やがて「もっとグローバルな視点で女性を元気にしたい」と考えるように。

 その時、思い出したのは、子供の頃のことでした。小学生時代を過ごしたアメリカでは、空手とサッカーに取り組み、スポーツが身近な存在でした。「私自身、スポーツの素晴らしさを実感しながら育ってきた。スポーツなら、内側からも外側からも女性を美しくできるのではないかと思ったんです」

 

 「スポーツを通じて社会を豊かにする」をミッションとして掲げるドームで、女性を内面からキレイにしたいと、30歳の時に転職を決めました。

世界の女性をエンパワーメント

 女性を元気づけたいという思いを常に持ち続けている佐藤さんが注目しているのが、貧困女性への支援活動をしているアメリカのNPO「ドレス・フォー・サクセス」です。

 この団体は、不要になったスーツを集め、スーツを購入する経済的余裕のない女性に支給することで、女性たちの就職・自立を支援しています。「子育てが落ち着いたら長期休暇をもらって、アメリカでこの活動に参加したい。そして、そのノウハウを日本に持ち帰り、日本の女性を助けたい」と佐藤さん。

 「自信にあふれる女性を増やしたい」。その思いは、ずっと変わることがありません。

(取材・文/メディア局編集部 安藤光里、写真/金井尭子)

 ◇    ◇    ◇ 

 生き生きと働く女性をクローズアップする「働く女のランチ図鑑」。職場での仕事ぶりや気になるランチの様子をお届けします。

金井 尭子(かない・たかこ)
フォトグラファー

 ニューヨーク市立大学ハンターカレッジ舞台芸術学部卒業。 帰国後は都内の撮影スタジオに勤務し、2011年独立。得意分野は人物ポートレイト。 バンコク発のファッションブランドに夢中で年2回は必ず訪泰。 現在はフリーランスフォトグラファーとして東京をベースに活動している。ホームページ