服装選び、間違えると居心地の悪い職場になる

ゆるキャリ女子の未来予想図3

 クールビズが定着し、男性はネクタイを外してワイシャツ一枚という装いが、夏の定番スタイルとなりました。一方、男性と比べると、もともと自由度が高い女性の服装は、クールビズだからといって、どこまで軽快にしていいのでしょうか。朝から天気予報を見ながら、着ていく服に悩んでいる人も多いのでは?

服装選びは気が抜けない

 「女性だって薄着で快適に仕事をしたい!」。とはいえ、職場はあくまで「公」の場です。何を着ても良いというわけにはいきません。

 ノースリーブなら薄手のジャケットやカーディガンを羽織るなど、肌の露出をコントロールするのは「ビジネス・マナー」です。マナーとは「相手を不快にさせないこと」。相手が服装のどんな部分に不快と感じるかは、その人の価値観にもよります。

 また、職場には見えないルールというものも存在します。その職場で良いとされる服装のラインを逸脱すれば悪目立ちします。服装が周囲に不快感を与え、白い目で見られるようなことになれば、働きづらい職場環境を自分で作ってしまうことに。だから、服装選びは気が抜けません。

「おしゃれ」と「身だしなみ」の違い

 おしゃれと身だしなみの違いについて押さえておきましょう。

 おしゃれの主役は自分。いちはやくトレンドを取り入れたり、好きな色や柄にこだわってみたり、自分が楽しければ何を着たってかまいません。一方、身だしなみの主役は相手。一緒にいる相手が気恥ずかしくなってしまったり、目のやり場に困ったりする服装はご法度です。自分の好みよりも、TPOを考えて服を選ばなければなりません。

 気温の上昇とともに、「今日は生足にサンダルでいいかな」という気持ちがよぎるかもしれません。そんなときは、仕事で会うかもしれない相手のことをもう一度考えましょう。職場ではストッキングをはき、つま先とかかとの見えない靴を履くのは、働く女性の「身だしなみ」なのです。

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新たなキャリアの扉が開く

 趣味の生け花を通じて知り合った会社員のA子さん(40)は、いつも魅力的な装いをしている女性です。「派遣社員で働いていると、必ず正社員の道が開いていくのよ。不思議~♪」と軽やかに語るA子さん。仕事が途切れたことがないそうです。

 夫の海外赴任をきっかけに、当時働いていた正社員の職をあっさりと手放し、専業主婦になりました。現地の言葉を学んだ彼女は、地元の日本企業に派遣社員で働き始めたところ、正社員のオファーを受けたとか。

 短大の英文科を卒業したA子さんは、バリキャリというタイプではありません。のんびりとした話し方は、自然と周囲を和ませる柔らかい雰囲気を醸し出します。なのに、どうして仕事が途切れないのでしょう?

服装を意識すれば姿勢も変わる

 A子さんの説明はこうです。

 「まず、服装だと思う。一緒に働いている派遣社員の女性たちは、服装に無頓着で気を使わない人が多い。だから、同年代でも外見がくすんだオバサンに見えちゃう。私は、身だしなみに悪目立ちしない程度のおしゃれをプラスして楽しんでいる。例えば、ネイル、ネックレス、ピアス、ベルト、靴など全身の色のコーディネートは怠らない。服装を意識すれば、姿勢や歩き方もきちんとしようと思うようになる」

 決して高価な服やアクセサリーを身に付けるのではなく、「色」の力で自分がイキイキ見える工夫をしていたのです。

 身だしなみに気を使い、おしゃれなA子さんは、男性からも女性からもよく話しかけられるそうです。好感を持たれて、仕事の守備範囲も広がり、一目置かれる存在になって、「このまま、わが社で働きませんか」と声がかかるようになったというのです。「私、スーパー派遣社員って思われちゃうの。そんなにすごい仕事をしているわけじゃないのに」。フフッと笑顔で言いきる彼女の余裕に感心しました。

ハイヒール強制やめて

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 読売新聞(6月4日朝刊)に「ハイヒール強制やめて」という記事が載りました。

 足に負担のかかるハイヒールの着用が職場で事実上「強制」されているとして、女優や就活生でつくるグループは3日、厚生労働省に対し、強制を禁止する通達を企業側に求める1万8856人の署名を提出した

 足が痛い靴を我慢して履くほどつらいことはありません。やがて、頭まで痛くなって、仕事どころではなくなります。3~5センチくらいのヒールで足に合った靴ならば問題ありません。ただ、快適な足元を追求するあまり、服装とアンバランスになっては見た目に影響します。

 私は、自分に合う靴を探して数十年。今は7年前にオーダーで作った5センチヒールの靴を色違いで3足、大事に履き続けています。一日中履いていても疲れないので、仕事の必須アイテムです。オーダーメイドは安くはないですが、長く使えて買い換えなくて済むので、長い目で見れば経済的だと思います。

 好みの色や服装が、必ずしも似合うというわけではありません。おしゃれに自信のない人は、イメージコンサルタントやスタイリストといった専門家にアドバイスを求めるのも手です。

 気になるA子さんの足元はといえば、真っ赤なペタンコ靴。「この靴、かわいいでしょ。職場にも履いていくのよ~」。服装、靴、アクセサリー、ヘアスタイル、化粧、そしてチャーミングで健康的な笑顔。働く女性の装いは、周囲を不快にさせない絶妙なバランス感覚が求められます。職場で一目置かれる女性は、服装にもセンスが光ります。ゆるキャリ女子は、身だしなみを楽しみながら、自分自身をコーディネートしていきましょう!

 イメージコンサルタントに似合う色をアドバイスしてもらって魅力アップ!

関下昌代
関下昌代(せきした・まさよ)
キャリアカウンセラー

亜細亜大学非常勤講師。熊本市生まれ。高校卒業後、住友信託銀行に就職。以後、派遣、臨時職員でテレビ熊本、熊本県庁などで勤務した。1989年シティバンク銀行に転職。いくつかの業務部を経て、2001年人事本部人材開発課に異動。社員研修プログラムの企画、社内講師役を務める。2009年3月、立教大学大学院異文化コミュニケーション学修士号取得。同11月末シティバンク銀行を退職。2011年4月より大学でビジネスマナーやコミュニケーションの科目を担当。著書に「ダメ上司のトリセツ ―働く女子必読! 会社で地雷を踏まないために」(さくら舎)「伸びる女の社内政治力」(同)「伸びる女(ひと)と伸び悩む女の習慣」(明日香出版社)「伸びている女性がやっている感情整理の新ルール」(KADOKAWA)、「シティバンク人事部で私が学んだ一生使える「気づかいの基本」が身につく本」(大和出版)などがある。

「伸びる女!」になる秘密