働く女子よ、令和時代は「ゆるキャリ」でいこう

ゆるキャリ女子の未来予想図

 新時代「令和」が幕を開けました。

 物語が新しい章(チャプター)に進み、「今までと違ったものの見方や感じ方をしても良いのですよ」と誰かに優しく背中を押されているような感じがするのは、新緑の季節が運んでくる清々しい風のせいかもしれません。

 「新時代の到来とともに新しい風を吹かせようよ♪」

 こんな気持ちで令和の仕事をスタートさせた人も多いのではないでしょうか。

遅れる女性のリーダー層への登用

 30年以上続いた平成。働く女性をとりまく環境は、男女雇用機会均等法、育児休業法、男女共同参画社会基本法などの法律の施行とともに少しずつ改善されつつあります。しかし、2016年に女性活躍推進法が施行されてもなお、日本の女性管理職が占める割合が世界的に低いことに変わりはありません。

 今年3月に発表された国際労働機関(ILO)の報告書によると、18年に世界で管理職に占める女性の割合は27.1%で、職場での男女格差は依然として大きいことがわかります。アメリカの39.7%が最も高く、フランス32.1%、ドイツ29.2%が続きます。日本は12.0%にとどまっており、主要7か国(G7)において最下位。女性のリーダー層への登用は遅れています。

 政府が「女性活躍推進」を掲げているにもかかわらず、日本の上場企業で女性役員の比率は18年7月時点でわずか4.1%(出典:東洋経済新報社「役員四季報」)。政治の世界でも現在、女性閣僚は片山さつき地方創生担当相たった1人です。男性社会はそう簡単には変えられないぞ、という女性への無言の圧力のように感じます。

画像はイメージです

課題は柔軟性のある生き方

 しかし、女性に不利なこれらの数字に落胆する必要はありません。

 女性の仕事への向き合い方は多様化しています。誰もが管理職になることを目指してはいませんし、仕事にやりがいや喜びを感じる瞬間は人によって様々です。働き方は自分次第で自由自在。「働く女性はこうあるべき」なんて言われなくて済む、柔軟性のある生き方が社会から許容されるように身をもって示していくことが、私たち働く女性のこれからの課題ではないでしょうか。

 このコラムのタイトルは「ゆるキャリ女子の未来予想図」。

 「ゆるキャリ」とは、意識高い系のバリバリ働くキャリアウーマン「バリキャリ」と対比されて使われる傾向にあります。しかし、このコラムの「ゆるキャリ」は、家事や育児などを言い訳にして低いパフォーマンスに甘んじ、そこそこの働き方をすることではありません。

 人材サービスのポータルサイト「日本の人事部」に掲載されている人事・労務に関する用語辞典によると、「ゆるキャリ」は、「仕事第一ではなく、家庭生活を大切にし、自分の趣味や交友も楽しみながらマイペースで働くこと」です。そういうゆるやかなキャリアの女性を肯定的にとらえる表現として、エッセイストの葉石かおり氏が提唱した言葉です。

 葉石氏の著書「あなたが辞めると言ったとき、上司はとめてくれますか?『ゆるキャリ』のススメ」に書かれている「ゆるキャリ」10か条の一つに、「周囲との調和を大切にしている」があります。周囲とは、上司・先輩・同僚・後輩・家族など自分の周りにいる大切な人たちのこと。これらの人々との調和を保つためには、自分と異なる価値観を持つ人をいったん受け入れることができる懐の深さが求められます。さらに、目の前の状況に合わせて自分を変えられる勇気ある行動力と柔軟性を持つことが不可欠です。

キャリアはジャングルジム

 全米ベストセラーの話題作「LEAN IN (リーン・イン) 女性、仕事、リーダーへの意欲」の著者、シェリル・サンドバーグ(フェイスブックCOO)は、著書の中で「キャリアは梯子ではなく、ジャングルジムだ」と言っています。

 梯子だと上るか下りるかしかありませんが、ジャングルジムは目指す場所に行くため、いく通りも手段があります。一休みできるスペースを見つけ、そこからの景色を楽しむこともできます。梯子は途中で立ち止まっていたら、人に邪魔だと言われる可能性があり、先行く人のお尻が頭上にあって居心地が悪そうです。

 ジャングルジムなら、ライフイベントや、自分の進む道に障害物が現れても、いくらでも方向転換する選択肢があります。キャリアのジャングルジムを心から楽しみ、味わい尽くせるのは、まさしく「ゆるキャリ」ならではの特権ではないでしょうか。

 いくつもの職場を転々としてきた私自身は「ゆるキャリ」そのもの。だからこそ「ゆるキャリ」ならではの「踏ん張りどころ」について書き、働く女性の未来がキラキラと輝くように応援したいと思います。

 自分なりの未来予想図を描いてワクワクしましょう!

関下昌代
関下昌代(せきした・まさよ)
キャリアカウンセラー

亜細亜大学非常勤講師。熊本市生まれ。高校卒業後、住友信託銀行に就職。以後、派遣、臨時職員でテレビ熊本、熊本県庁などで勤務した。1989年シティバンク銀行に転職。いくつかの業務部を経て、2001年人事本部人材開発課に異動。社員研修プログラムの企画、社内講師役を務める。2009年3月、立教大学大学院異文化コミュニケーション学修士号取得。同11月末シティバンク銀行を退職。2011年4月より大学でビジネスマナーやコミュニケーションの科目を担当。著書に「伸びる女の社内政治力」(さくら舎)、「伸びる女(ひと)と伸び悩む女の習慣」(明日香出版社)「伸びている女性がやっている感情整理の新ルール」(KADOKAWA)、「シティバンク人事部で私が学んだ一生使える「気づかいの基本」が身につく本」(大和出版)「仕事も人間関係もうまくいく!マナードリル」(総合法令出版)「反学歴の成功法則」(経済界)などがある。

伸び悩む女の独りごと~異文化の交差点