異動の夫と東京へ…気持ちを後押ししたもの 大光電機・島田佑香

働く女のランチ図鑑

 毎日の暮らしのいろいろな場面で、私たちを明るく照らしてくれる“あかり”。でも、どんな場所にどんな照明器具を取り付けたらいいのか、迷った経験のある人も多いのではないでしょうか。照明器具の製造・販売を手掛ける「大光電機」(本社・大阪市)の照明プランナー・島田佑香さん(34)は、顧客の要望に沿って最適な照明器具や設置場所をプランニングするのが仕事です。島田さんに、仕事のやりがいやランチでの楽しみについて話を聞きました。

住む人にとって暮らしやすい照明を

 島田さんは現在、東京・両国にある営業所に勤務しています。顧客の自宅の間取り図などをもとに、3000点以上もの照明器具の中から、予算や希望に合ったものを提案します。「照明は無駄なものを付けてしまいがち。そうするとお金もかかるので、『本当に必要なところに、これだけ付けたらいいんですよ』と提案しています」。すべて島田さんにお任せの人や、じっくり1年近くかけて決める人など、顧客はさまざま。営業を介して、修正と提案を繰り返しながら、理想の照明に近づけていきます。

 「専用のソフトで一つずつここに落とし込んでいくんです」。島田さんがそう言って広げたのは、A3サイズの住宅平面図。玄関や収納、リビングルームなどの図面に、20個ほどの照明器具の写真と型番、値段などが書き込まれています。

間取り図に細かく落とし込んでいく作業。多い時は、1日に8、9件をこなすそう

 依頼のあった現場を見ずに、平面図だけを見てプランニングしなければならないこともあるそう。吹き抜けやはり、天井の勾配などは想像しづらいため、苦労しますが、その分、「自分の提案したものが、ほとんど採用されたときはうれしいです」と、島田さんは顔をほころばせます。

ランチで女子会 

 職場の近くに飲食店が少なく、日々のランチタイムは同僚と一緒に5、6か所の飲食店をローテーションで巡っているそう。なかでも島田さんのお気に入りは、営業所から歩いて数分の場所にある「両国テラスカフェ」のランチメニュー「アスリート定食」(970円=税込)。スポーツ栄養学に基づいた健康志向の定食で、月替わりの9種類のおかずの中から3種類を選ぶことができます。

野菜や魚を使ったおかずを選び、よりヘルシーなランチになるよう意識しているそうです

 島田さんは、今年6月に初めての出産を控えています。おなかの赤ちゃんの健康を考え、今は糖質や塩分控えめの生活を送っていますが、「アスリート定食は、お腹いっぱいになっても罪悪感がありません」といいます。

 いつも一緒にランチを囲むのは、30、40歳代の同僚女性たちです。パソコンと向き合う時間の長い島田さんたちにとって、1時間のランチタイムは大切な憩いの時間。営業所でお昼のチャイムが鳴ると同時に、みんなで出かけます。「まさに女子会。後になったら覚えていないくらい、とりとめもないことばかりを話して、ずっと笑っています」。最近では、ママ社員から子育てについて話を聞く機会も増えました。

予期せぬ夫の東京への異動

 現在は都内に住む島田さんですが、生粋の「関西人」です。短大卒業後、関西の電気資材会社に就職し、インテリア・雑貨の販売会社に転職。しかし、新しい職場は休日出勤が多く、ワークライフバランスが取れないことを不安に感じたため、30歳の結婚を機に、2度目の転職を考えるようになりました。

「転職先でも、お客様に提案する仕事に就きたいと思っていました」と語る島田さん

 そんな中、以前の職場で取引していた大光電機が求人募集を出していることを知ります。福利厚生が整っている会社で、実家と夫の勤め先のある関西圏に本社があることなど、条件はばっちり。「電材会社で照明プランナーをしていたので、その経験も生かせるのではないかと思い、飛び込みました」

 ところが、働き始めてから2年後、夫の勤務先が都内に支店を出すのに伴って、夫が東京へ異動することに。「(東京暮らしは)結婚したときは全く思いもよらなかった。ずっと関西にいるものだと思っていました」と島田さんは振り返ります。

柔軟な人事制度

 せっかく転職した会社をやめたくありませんでした。「もしかしたら、自分も都内へ異動させてもらえるかも……」。そう思えたのは、同社の前芝辰二社長の著書「女性に優しい会社 大光電機」(ダイヤモンド社)を読んでいたから。島田さんの入社と同じ2015年に出版されたこの本には、「交際相手の異動についていきたい」「実家の近くから通いたい」など、社員の異動希望に応える人事への柔軟な姿勢がつづられていました。期待と不安を半分ずつ抱えながら上司に相談した結果、希望通り、東京への異動がかなったのです。

みえる「女性のキャリアプラン」

 東京の営業所に異動後、昨年9月に妊娠が判明。もうすぐ産休に入ります。「仕事と子育てを両立している先輩たちを見てきました。フォロー体制もしっかりしているので、安心して産休を取れるのはありがたいです」と島田さんは話します。

島田さんのデスクの周りも、女性社員ばかり。笑い声の絶えない、和気あいあいとした雰囲気です。

 近年、同社では、出産・子育て後の復帰率は100%。18年4月現在、社員の約4割を占める女性368人のうち26人が育休を取得し、51人が短時間勤務を利用しています。島田さんの職場でも、15人ほどの社員のうち、3人が産休を取っています。出産後、また同じ職場に戻って働く先輩も多く、一度職場を離れることに対する不安もありません。

 「若干忘れている部分もあるかもしれませんが、同じ職場に戻って同じ仕事ができるのはうれしい。キャリアプランが見えるので頑張れます。これからも、お客さまの暮らしの全てに光が当たるようプランニングを続けていきたいです」

(取材・文/安藤光里、写真/金井尭子)

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 生き生きと働く女性をクローズアップする「働く女のランチ図鑑」。職場での仕事ぶりや気になるランチの様子をお届けします。

金井 尭子(かない・たかこ)
フォトグラファー

 ニューヨーク市立大学ハンターカレッジ舞台芸術学部卒業。 帰国後は都内の撮影スタジオに勤務し、2011年独立。得意分野は人物ポートレイト。 バンコク発のファッションブランドに夢中で年2回は必ず訪泰。 現在はフリーランスフォトグラファーとして東京をベースに活動している。ホームページ