働き方改革、ドラマ「家売るオンナの逆襲」にヒントあり!

楽しく働くための社内政治力

 「女性に仕事と家事を両立させるためのプロジェクトならば、そんなものくたばってしまえばいい」

 このスカッとする言葉は、ドラマ「家売るオンナの逆襲」(日本テレビ系)の主人公・三軒家さんげんや万智のセリフです。北川景子さん演じる三軒家は、独特の哲学で家を売りまくるスーパー営業ウーマン。

 三軒家は、家を探すワーキングママに、保育園が近い物件ではなく、託児所の設備がある夫の会社が近い物件を薦めます。そして、夫を育児に巻きこむことを提案します。これぞ、今の日本に求められる「働き方改革」ではないでしょうか。

 女性が働きやすい環境づくりは着実に進んではいるものの、男性中心の社会はそう簡単に変わりません。日々、奮闘している女性に「家事や育児をして当たり前」という風潮は、少子化問題をさらに悪化させ、労働人口減少を加速させます。

 3月8日は「国際女性デー」。先日、行われた大手小町主催の国際女性デー・シンポジウム「自分らしく生きるために 働く女性のエンパワーメント」では、女性の働き方などを巡る議論が大いに盛り上がりました。

 世界的な記念日を日本の現状に合わせるなら、まず「男女共に『無意識の当たり前』に気づこう!」と呼びかけたいです。

無意識の当たり前を意識する

 私たちはどこかで、家計を支える大黒柱は「男性」、育児や家事は「女性」――と思い込んでいます。「それが当たり前でしょう! それが常識でしょう!」という決めつけが、何と多いことか。

 私は男尊女卑がわりと強い地域で育ったせいか、親から「女の子は控えめにしなさい」「女の子だから上の学校に行かなくても。どうせお嫁に行くんだから」と言われ続けました。この刷り込みから自由になったのは、外資銀行への転職後です。「え? 本当に? 私、ここで意見を言ってもいいの?」と、最初は恐る恐るでした。ここでは控えめどころか、意見を言わないと評価されません。日本とは真逆の「当たり前」に解放感を得た私は、のびのびと働くことができました。

 しかし、刷り込まれた当たり前をゼロにすることは難しく、かえって自分の当たり前を人に押し付けてはモヤモヤしているのが正直なところです。だからこそ、ここで無意識の当たり前を意識することからスタートしてはどうでしょう。

「それって当たり前でしょう」とか「みんな言ってるよ」などと言いたくなったら、ちょっと立ち止まって考えてみましょう。

「その当たり前はどこから来たの?」「みんなって具体的に誰のこと?」

働き方は人それぞれでいい

 「家を売るのに男とか女とか、子どもがいる、いないは関係ない」

 これも三軒家チーフのセリフ。働くのに、その人の性別・婚姻・子どもの有無は全く関係ありません。

写真はイメージです

 今から20年以上前のことです。30代の女性上司が、朝から小学生の息子を机の横に座らせて仕事をしています。平日、学校がお休みになり、預ける場所がなかったそうです。息子はお母さんの隣で宿題をしていました。最初、この上司の行動は、私には違和感がありました。「職場に子ども連れで来るなんて! 非常識な人」

 でも、上司が黙々と仕事をこなす姿を見ているうちに、「上司には仕事をしてもらえれば、それでいい」に変化していきました。

 その後、保育園にお迎えに行った子どもをそばで遊ばせながら残業する女性管理職や、夏休み中の子どもを自分の執務室で昼寝させる男性部長がいましたが、私の感情がざわつくことはありませんでした。

 それより、私の心に響いたのは、子どもを職場に連れてまで仕事を全うしようとする上司の働くことへの情熱だったのです。

 「当たり前じゃないこと」に直面すると意識改革が芽生える

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関下昌代
関下昌代(せきした・まさよ)
著作家・キャリアカウンセラー

 亜細亜大学非常勤講師。熊本市生まれ。高校卒業後、住友信託銀行に就職。以後、派遣、臨時職員でテレビ熊本、熊本県庁などで勤務した。1989年シティバンク銀行に転職。いくつかの業務部を経て、2001年人事本部人材開発課に異動。社員研修プログラムの企画、社内講師役を務める。2009年3月、立教大学大学院異文化コミュニケーション学修士号取得。同11月末シティバンク銀行を退職。2011年4月より大学でビジネスマナーやコミュニケーションの科目を担当。著書に「伸びる女の社内政治力」(さくら舎)、「伸びる女(ひと)と伸び悩む女の習慣」(明日香出版社)「伸びている女性がやっている感情整理の新ルール」(KADOKAWA)、「シティバンク人事部で私が学んだ一生使える「気づかいの基本」が身につく本」(大和出版)「仕事も人間関係もうまくいく!マナードリル」(総合法令出版)「反学歴の成功法則」(経済界)などがある。

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