ITコンサルタントの幸田フミさんが、SNS時代をスマートに生き抜く女性ためのデジタルマナーを指南します。
米フェイスブック(FB)は今年8月、個人情報が不正利用された可能性があるとして、性格診断を行うFacebookアプリ「myPersonality」の使用を禁止しました。
「myPersonality」が流行ったのは、今から5、6年前のことです。このアプリのユーザーから提供された情報がどのように使用されていたのか、いまだにはっきりと解明できていませんが、FBによると、この診断系アプリをダウンロードしたユーザーの個人情報とともに、FB上の友人の情報が流出。最大8700万人分の個人情報が2016年の米大統領選で、トランプ陣営の選挙コンサルタントを務めた英国企業に提供され、不正に利用された疑いがあります。
しかしその後も、「あなたは何歳に見えるでしょう?」「あなたが異性だったらどんな感じ?」などと、タイムラインに流れてくる診断系アプリは後を絶ちません。
それらのアプリを使おうとすると、FBでログインすることを求められ、許可した途端に様々な個人情報をアプリ側に提供してしまうことは周知の通りです。多くの場合、自分のメールアドレスにとどまらず、アプリを使っていない「友達」の情報まで提供してしまい、気づかないうちに友達に迷惑をかけてしまう可能性もあります。
「絶対に診断系アプリを使わない」という人でも、悪意のない「友達」を経由して、知らない間に情報を抜き取られていることがあるかもしれません。個人情報が流出した場合は情報を悪用されかねないだけでなく、アカウントが乗っ取られてしまうこともあるのです。そこで今一度、三つのチェックポイントをおさらいしておきましょう。
1.不正アプリに情報を利用されていないかをチェック
運営会社として情報流用の責任を問われたフェイスブックは、「不正利用された際にはユーザーに報告する」「ユーザーが3か月以上利用していないアプリの情報アクセスを停止する」など、いくつかの対策を講じています。

14年にフェイスブックのポリシーが厳格化される前にリリースされたアプリがブロックの対象になりますが、念のためチェックしておきましょう。
2.不要なアプリの削除
こちらではスマホでの不要なアプリの削除方法を説明します。
まずは、右下の3本線メニューから「設定とプライバシー」>「設定」を選択して設定画面を開きます。
そして、「設定」画面の「アプリとウェブサイト」をタップし、「Facebookでログイン」の「編集する」をタップします。
インストールされているアプリのステイタス、「アクティブ」「有効期限切れ」「削除済み」がひと目でわかります。
「アクティブ」「有効期限切れ」のアプリはあなたの個人情報にアクセスできる状態なので、管理が必要です。それぞれのタブ内に表示されているアプリ一覧をチェックして、不要なものは「削除」します。
サービスのログイン時などによく利用するアプリは「アクティブ」に残しておきたいですが、インストールした覚えのないアプリや今後使わなさそうなアプリがあれば「削除」しましょう。
3.情報提供範囲のコントロール
そして、「アクティブ」「有効期限切れ」のアプリに提供している情報を管理します。アプリの「表示」をタップすると、それぞれのアプリにどんな情報を提供しているのかが表示されます。
(1)このアプリと共有している情報
表示されている項目をチェックして、アプリを利用する際に提供する必要がない情報は「オフ」にします。
「友達リスト」や「イベント」など、思ってもいなかった情報を提供している場合があるので、チェックしてみてください。
(2)利用アプリの表示範囲
利用アプリの表示範囲が「自分のみ」以外に設定されている場合は、あなたがそのアプリを使用していることが第三者にわかる状況です。気になる場合は「自分のみ」に設定します。
設定が完了したら「保存」をタップします。
フェイスブック上の個人情報の管理、設定方法は以前よりもだいぶわかりやすくなっています。少し手間がかかりますが、SNSを快適に楽しむためにも、たまにアプリの設定画面をのぞいて設定を見直してみてくださいね。