プライベートもキャリアも「欲張りたい」 キリンビバレッジ・藤井絵里子

働く女のランチ図鑑

 生き生きと働く女性にクローズアップする「働く女のランチ図鑑」。職場での仕事ぶりや気になるランチの様子をお届けします。

商品をしっかりと根付かせたい

 「毎回が“トライ・アンド・エラー”。うまくいかないこともありますが、挑戦を続けています」

 瞳を輝かせながらそう話してくれたのは、飲料大手「キリンビバレッジ」の藤井絵里子さん(26)。東京・中野にある本社で、飲料の通販を手掛けている企業などへの営業を担当しています。

 例えば、家電量販店や携帯電話会社などが行っている通販サイトにキリンビバレッジの商品を掲載し、販促プロモーションを仕掛けるのが、藤井さんの仕事です。「清涼飲料業界は新商品が出ては消えてしまう激しい世界。お客様のライフスタイルに応じて、コミュニケーションを打ちながら、生活に寄り添った提案で商品をしっかりと根付かせるような仕事を」と、現在の部署を希望し、昨年10月に異動。「新規営業スタイルで、体制が確立されていないこともあり、最初はどこから始めたらいいのか分からず、悩んでいました」と藤井さんは振り返ります。

 手応えを感じたのは、カフェインゼロの緑茶「生茶デカフェ」の営業でした。「生茶デカフェ」を知らない人にも興味を持ってもらえるように、取引先の携帯電話会社の通販サイトに、デカフェが妊産婦や子どもも安心して飲め、寝る前に飲むのにも適していることをアピールする記事を掲載。購入者にポイントをつけたり、メルマガを配信したりするなど工夫を重ね、販売増に結びつけました。

 「商品の魅力をしっかりと伝えられて、お客様の購買行動が見えるところがおもしろいですね」

やりたいことにつながっている

 小学生の頃には、オリンピックを目指すほど熱心に陸上競技に取り組んでいた藤井さん。ところが、練習のしすぎで全国大会を前に脚を故障してしまいます。けがが長引き、悩む藤井さんを支えたのが、母が作ってくれた野菜たっぷりで栄養バランスのとれた食事でした。その時の経験から、「食と人との健康について学びたい」と、広島大学生物生産学部に進学し、食品化学の研究に取り組みました。「いずれは商品開発に携わりたい」と藤井さんは意欲を見せます。

 「今の部署は、様々な部署の人とやりとりをするほか、場合によっては、商品作りに携わる機会もあります。ここでの経験がいずれ自分のやりたいことにつながっていると感じています」

ランチはリフレッシュに

  仕事について生き生きと話す藤井さん。そんな彼女の元気の源になっているのは、行きつけの店でのランチです。


GOOD MORNING CAFE 中野セントラルパーク
Tel. 03-5318-3222 東京都中野区中野4-10-2 中野セントラルパークサウス 1F

 「週1回はここでランチを取っています。旬の食材を使った日替わりのランチのほかに、ステーキやハンバーガーなどが選べます。お気に入りはパスタランチ。パスタのほかに、サラダとスープがついて、パンはおかわり自由なんです。栄養もボリュームもばっちりです」。正午頃は店が混んでいて入れないため、11時半にはオフィスを出るそうです。

 「会社の同期や近くの会社に勤める友人と待ち合わせて、おしゃべりを楽しみます。卸や量販店の営業を担当していた時には車で営業先を回っていたので、車内でパンをほおばるだけのこともありました。今はデスク業務が多いので、ランチタイムの1時間は席を離れてちゃんと食事を取るようにしています。しっかりリフレッシュして、午後の活力にしています」

  仕事が詰まっていて外に出られない時も、デスクではご飯を食べずに、社内のイートスペースに移動してから食べるようにしているそう。「メリハリをつけたいので、パソコンを見ながらもぐもぐ、というのはできるだけしないようにしています」

プライベートもキャリアもとことん楽しみたい

 キリングループは、社員の「主体的なキャリア形成」を重視しています。自分は会社で何がやりたいのか、どんなキャリアを歩みたいのかを社員が主体的に考え、会社は面談や社内公募などを実施して、社員の中長期的なキャリア形成を支援します。社員は、入社8年程度の間に複数の部署や職務を経験することで、会社の全体像をつかみ、専門性を高めていく流れになっており、藤井さんもこうした中でキャリアアップを目指しています。

 一方で、藤井さんは先月、26歳の誕生日を迎えました。結婚・出産のこともだんだんと気になるようになってきたといいます。そんな藤井さんに将来について聞いてみました。

 「子どもは3人ほしいし、仕事も続けたい。正直なところ不安もありますが、営業部には育休を取ったり、フレックスで働いたりしている先輩社員がいるので心強いです。それに、キャリアもプライベートもとことん楽しみたい。欲張りなんです」

ママになりきる体験も

 将来への不安が薄らぐきっかけになったのは、キリングループで導入されている「なりキリンママ・パパ」(以下、なりキリン)制度でした。子どものいない社員が1か月間、2歳前後の子どもがいるという設定で、原則として定時に退社し、「子どもに熱が出た」という連絡を受けた時は、業務を終了して帰社しなければならないルールです。

「なりキリン」制度の対象者のデスクには看板が立てられて、一目でわかるようになっている

 今年5月に、なりキリン制度を体験した藤井さん。午前11時に電話が鳴って「子どもが体調不良」と伝えられ、自宅にそのまま帰ったこともありました。定時退社や早退をするためには、同僚との仕事の引き継ぎをしっかり行う必要があり、藤井さんは「情報共有の大切さを実感しましたね。定時退社が原則なので、時間内に終わらせるためにはどうすべきか考えるようになりました」と話します。ちなみにこの制度では、パパがサポートしてくれるという設定で(リアル!)、週1回は残業もできるそうです。

 なりキリン制度を体験し終えた後も、なるべく定時退社を心がけている藤井さん。空いた時間は友人と会ったり、ビジネス書などを読んだりすることに充てています。

 「人と会っておしゃべりするのが大好き。休みの日は大好きなカフェ巡りで1日3軒を訪ねることも。オンオフ、メリハリをつけて仕事とプライベートを楽しんでいます」
 (取材・文/山口千尋、写真/金井尭子)