デキる同期が昇格…格差にモヤッとしたら?

楽しく働くための社内政治力

 「縁あって同じ会社に入った同期は、いわば『運命の出会い』。だから大事にしてほしい」

 外資系銀行の人事部時代、新人研修中に私がよく口にしていた言葉です。いっしょに入社した同期とは、仲間意識を持つものです。一方、良くも悪くもライバルであり、キャリアアップの競争相手という側面もあります。転職などで仕事を離れても友人関係が続く人もいれば、ぷっつりと連絡が途絶える人もいます。

 私には入社から40年近くたっても、親しくしている同期女性が2人います。彼女たちとは、今でも時々女子会を開きます。数年間、様々な苦楽を共にし、助け合った経験は、ちょっとやそっとの出来事では崩れない信頼関係があるように感じています。でも、もしかしたら人間関係を良好に維持できていると、私が勝手に思っているだけなのかも……。

 正直に言えば、どれだけ月日がたっても変わらないのは“嫉妬心”です。

 悲しいかな、私たちは何かにつけて人と比較し、自分が欲しいものを誰かが手に入れると、気持ちが沈むものです。「すごいね」「さすが!」「よかったね」と言ってはみても、心の中では面白くない気持ちがむくむく湧き上がってきます。嫉妬心は性別や年齢を超えて、いつまでも人にまとわりつくものかもしれません。

 良好な人間関係を保ち、自分の心を安定させるためにも、嫉妬心とうまく付き合っていくしかありません。

同期の優れた点を冷静に見直す

 銀行員時代、英語が得意な同期のA子は、社内で部門を超えたプロジェクトメンバーに抜擢ばってきされました。プロジェクトには海外スタッフも参加するため、英語でコミュニケーションができ、仕事の知識が豊富な彼女が選ばれたようです。

 「すごいプレッシャーだよ。だって○○部の△△さんと一緒に仕事するんだから。超緊張する!」

 A子は自分の立場を愚痴っているようでいて、実は「キレ者で有名な△△さんと仕事ができる私って、すごくない!?」と自慢している……。私にはそう聞こえて仕方がありません。仕事の壁にぶつかっていた私には、A子が遠い存在になったと感じました。そのうちA子は私より一つ上のポジションに昇格し、お給料も上がったようです。

 「私だってA子と同じような仕事の知識があるのに。彼女は運が良かっただけ」

 悔しい気持ちでいたところ、別の同期から「彼女はラジオ講座で英語を習得したらしいよ」と聞いたのです。てっきり、帰国子女か留学経験があると思っていた私はびっくり。A子に直接聞いてみると、「お金がないから、費用がかからない方法にしたの。ラジオ講座ならテキストも安いし。実は、海外旅行にも行ったことないんだ」。

 それ以来、A子を尊敬の眼差まなざしで見るようになりました。そして、彼女を見習うことにしたのです。

自分の力を客観視する

 「A子との仕事の知識に差はない」。これってもしかしたら私の思い込みでは? 私はA子の仕事ぶりを観察し、彼女から学ぶ姿勢に方向転換しました。すると、プレゼンの資料を作成するにしてもシンプルでわかりやすく、時間をかけないやり方、人前で話すときの自信のある態度、どれをとっても見習うべき点がありました。

写真はイメージです

 嫉妬してもひがんでも、何のプラスにもなりません。デキる同期がそばにいるなら、その働き方を真似まねすればいいのです。

 働き方改革の波とともにITのさらなる進化、AIロボットの進出などで、私たちの職場をガラッと変えてしまう日は、そんなに遠くなさそうです。同期がロボット――なんて時代が来るかもしれません。見習うべき優秀な同期がいることに、むしろ感謝しましょう。

 同期が優秀なら学べることがあってラッキー!

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関下昌代
関下昌代(せきした・まさよ)
著作家・キャリアカウンセラー

 亜細亜大学非常勤講師。熊本市生まれ。高校卒業後、住友信託銀行に就職。以後、派遣、臨時職員でテレビ熊本、熊本県庁などで勤務した。1989年シティバンク銀行に転職。いくつかの業務部を経て、2001年人事本部人材開発課に異動。社員研修プログラムの企画、社内講師役を務める。2009年3月、立教大学大学院異文化コミュニケーション学修士号取得。同11月末シティバンク銀行を退職。2011年4月より大学でビジネスマナーやコミュニケーションの科目を担当。著書に「伸びる女の社内政治力」(さくら舎)、「伸びる女(ひと)と伸び悩む女の習慣」(明日香出版社)「伸びている女性がやっている感情整理の新ルール」(KADOKAWA)、「シティバンク人事部で私が学んだ一生使える「気づかいの基本」が身につく本」(大和出版)「仕事も人間関係もうまくいく!マナードリル」(総合法令出版)「反学歴の成功法則」(経済界)などがある。

伸び悩む女の独りごと~異文化の交差点