熱中症対策、「アイス」は経費として計上できる?

弁護士ドットコムニュース

 連日の猛暑で、熱中症対策を求める声が様々な職場からあがっています。典型的なものが飲食物。ツイッターにも、「熱中症にならないためにも会社は経費でアイスを買うべきだと私は思います」など、飲食物を求める声が投稿されていました。

  あるブログでも、水分補給を会社負担にしたことを紹介していました。仕事中の水分補給にかかった費用は、レシートがあれば経費で落とすことを認めたといいます。ただ、コーヒーフロートやコーヒーゼリー、ホットドッグなどを経費で落とそうとする人もいたそうです。

  一方、個人事業主にとっても、熱中症対策は大きな問題で、税理士ドットコムにも、夏場の草刈りで熱中症対策として氷を購入しているという人が、「個人の飲食費は経費にならないと思うのですが、現場作業の熱中症対策の氷代、あるいはドリンク代は経費になるのでしょうか」と質問を寄せていました。

  熱中症対策として、どんな場合に経費として計上できるのでしょうか。佐藤全弘税理士に聞きました。

 会社の場合、経費として認められるか

  まずは、会社の場合はどうでしょうか。

  「最近では、カフェテリアプランなど従業員の福利厚生に力を入れている会社が多くみられます。従業員は様々な経済的利益を享受することができ、働きやすい環境が整いつつあります。

  福利厚生として社会通念上相当な金額で、だれもが利用することができる場合などは、経費として認めらます。この記録的な猛暑のなか、会社としても従業員の体調維持管理のために、適切は作業場所の確保や、こまめに休憩時間を取得すること、定期的な水分補給などの熱中症対策が必要となるのではないでしょうか」

  では、アイスについてはどうなのでしょうか。

  「実際、アイスが熱中症対策として適切かどうかわかりませんが、会社がスポーツドリンクなどを提供して水分補給するのであれば問題ないでしょうし、また、仕事場が火を扱う調理場や屋外などで高温多湿になるときは、熱中症対策としての氷や保冷剤などの利用も経費として認められるのではないでしょうか」

 個人事業主の場合、難しい部分も

  個人事業主の場合はどうなのでしょうか。

  「個人事業主の場合においては、必要経費と家事費(個人の生活費)の区別がむずかしい部分があると思います。

  例えば、熱中症対策として水や氷などを購入した場合に、これが、業務に必要な経費なのか、生活の一部としてのものなのか。当然、個人の飲食費については家事費となり、経費計上することはできませんが、仕事上、屋外で作業するなど業務に影響を及ぼす場合などは、あくまで熱中症対策として考えると、最近の暑さを考慮すれば必要経費として認められるかもしれません。

  どこまでが必要経費となるかは、非常に判断がむずかしいところですが、必要経費というものを一言でいうと、『所得を生ずべき業務について生じた費用で業務遂行上必要なもの』です。経費になるかどうか迷ったときは、これを考慮して判断すると良いのではないでしょうか」

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