グラスに口紅がべったり! どうしますか?

脱かわいい 大人の作法

 テーブルマナーはなぜ必要なのでしょう。

 テーブルマナーと聞くと、「煩わしい。堅苦しくて料理を楽しめない。もっと自由に食べさせてほしい」。そう思う人もいるでしょう。

 空腹を満たすためだけなら、それでもいいでしょう。でも、パーティーや会食は食事だけが目的ではありません。大切なコミュニケーションの場でもあるのです。

 ビジネスでもプライベートでも、パーティーや会食などの特別な場所には、様々な立場の人が集います。その中で、あなたが勝手気ままな態度をとったら、不愉快な気分になる人がいるかもしれません。反対に、ほかの人の振る舞いで、あなたが不愉快になるかもしれません。一緒に食事をする誰もが楽しい時間を過ごせるように、マナーはあるのです。マナーの本質は「相手を思いやる心」ということを忘れないでください。

食事前に気をつけること

 食事の前から美しい立ち居振る舞いを心がけるのが、テーブルマナー。料理を待つ間のたたずまいも大切です。ビジネスパーティーなどでは、初対面の方と相席になることもあります。席に座る際は、左右・正面の人に会釈をして、簡単な自己紹介をしましょう。笑顔を忘れないように。

◆テーブルの上にものを置かない

 料理が運ばれてくるまで、手はそっとテーブルの上にのせておきましょう。なぜ、膝の上ではいけないのでしょう?

 テーブルマナーは西洋の長い歴史の積み重ねから、いまの形になりました。かつて争いの多かった時代には、会食の場に武器を持ち込むケースもあったでしょう。「危険なものを隠し持っていない」ことを示すために、常に両手をテーブルの上に置く習慣ができたのです。

 テーブルの上に置いていいのは、両手だけです。バッグはもちろん、ハンカチも置いてはいけません。着席したとたん、テーブルにスマートホンを置く人を見かけますが、もってのほかです。「インスタ映え」などといって、料理を撮影するのはエレガントではありませんし、同席した方に不快感を与えます。レストランにも失礼。そもそも食事の場にスマホやケータイを持ち込まないことです。会食中に着信音が聞こえてきたら、楽しい会話もおいしい料理も台なしになります。バッグといっしょにクロークに預けましょう。

◆ナプキンの使い方

 ここで、問題です。食事前にカンパイ、グラスにべったり口紅が! あなたはどうしますか?

1.指で拭き取る
2.ナフキンで拭く
3.そのままにする

 グラスの縁に付いた口紅やグロスを拭き取るのがマナーだと思っていませんか? 答えは「NO」です。いちいち拭き取る必要はありません。欧米人は、真っ赤な口紅がべったり付いても、そのまま知らん顔をしています。

 そもそも、グラスにべったり付くような色の濃い口紅を塗らないことがマナーです。事前にお化粧直しをすることをオススメします。グラスに跡が残らないよう、口紅は軽くティッシュオフしましょう。

 日本人はグラスの汚れをナフキンで拭くことが多いですが、正しいナフキンの使い方ではありません。ナフキンは手や口元を拭くときに使います。食事中は広げて膝に置きます。ナフキンが床に落ちないように、手前を下に折り曲げておくといいでしょう。拭くときは真ん中を汚さないよう、ナフキンの端を使います。

 退席するとき、ナフキンは畳まず、ふわっとテーブルに置きます。きちんと畳んで置くと「料理がおいしくなかった」という意味になってしまいます。

 レストランやサービススタッフへの心遣いもテーブルマナーの一環です。スタッフにサービスを受けたときは、「ありがとう」の一言を忘れないでください。

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清水彰子
清水彰子(しみず・あきこ)
マナー&キャリアコンサルタント

 トランスアジアオフィス TAO 代表取締役。放送業界で番組制作に携わった後、結婚。十数年を海外で過ごし、帰国後に社交マナーやコミュニケーションを中心に、企業研修のコンサルタントとして活躍。ジョン・ロバート・パワーズスクール東京校校長を経て、SEI by Akiko(2018年、DESIGN U LABとしてリニューアル)を立ち上げる。ミス日本、ミスユニバースJAPANの教育・指導および審査員を担当。著書に「いちばん綺麗なあなたを見つける」(リヨン社)、「気品のコツ 品格ある女性のマナーブック」(海竜社)など。

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