その気になれば実践できる「スマホ中毒」対策

幸田フミのスマートデジタル

写真はイメージです

 ITコンサルタントの幸田フミが、SNS時代をスマートに生き抜く女性ためのデジタルマナーを指南します。

 こんにちは、幸田フミです。

 AppleやGoogleが、本格的にスマホ依存対策に乗り出すと宣言しました。

 Appleはこの秋配布予定の「iOS12」に、アプリやウェブサイト閲覧に費やした時間を可視化したり、1日のアプリ使用時間を制限できたりする機能を導入します。

 ソーシャルメディアやゲーム、動画閲覧に没頭してしまうなど、スマホが手放せなくなる原因は人それぞれ。いずれのケースも時間を浪費するだけでなく、デジタル機器への過度な依存によって、言葉がすぐに出てこなくなったり、記憶力が低下したりする、いわゆる「デジタル認知症」になる恐れもあります。

スマホ中毒で加速する現代病

 私自身、2008年にiPhoneが日本で発売されてからしばらくは、四六時中スマホを片手にマルチタスクをこなすことに明け暮れていました。iPhone3S(日本で発売された初代iPhone)で、メールやスケジュールを快適に管理できることに慣れてきた頃、Facebookが日本に進出し、国内のソーシャルメディア利用人口が急激に増えはじめました。情報収集や発信のためにますますスマホが手放せなくなったのです。

 2010年に上梓した著書「手帳なんていらない」の書影には、私自身がスマホを片手にしている写真を使い、当時まだスマホを買い控えていた女性たちに「スマホを活用した新しいライフスタイル」を提案していました。

 そんなスマホ生活推進派の私でしたが、ある時、「デジタル認知症」の存在を知って怖くなりました。PCやスマホの普及とともに全世界的に問題視され始めた現代病です。今のようにスマホから離れられない生活を送っている限り、自分もそうなる恐れは十分にあると感じました。

 歩行中や食事中もスマホの画面を見てしまう。
 スマホがないと落ち着かず、片時も手放せない。
 仕事をしているときでもスマホが気になってしまい、集中力が低下する……

 そんな「スマホ中毒」はアルコールやタバコ依存症と違って、誰も注意したりしてくれません。食事中にスマホをテーブルに置く癖も、会話中についスマホを操作してしまうマナー違反も、立派な社会人を相手にいまさらとがめる人はいないでしょう。

 スマホを手放せない生活を悪習慣としてとらえ、自身がしっかり向き合って対策を講じない限り、スマホ依存はますますひどくなる一方だ。そう自覚して以来、スマホからできるだけ距離を置くように意識しはじめました。

 といっても、仕事中はどうしてもスマホがないと業務に支障をきたしてしまいます。結果、自宅でできる方法に限られてしまいましたが、あれこれ試してみた結果私がたどりついた「その気になれば実践できるスマホ中毒対策」をご紹介します。

その気になれば実践できるスマホ中毒対策

1)自宅では常にスマホを充電器に接続しておく

 家に帰るとスマホを充電コードにつなぎっぱなしにしておき、持ち歩かないようにします。スマホの定位置はちょっと取りづらい場所に決めておくのがコツです。

2)寝る時はスマホをベッドから遠ざける

 就寝前後はついつい手が伸びてしまうので、ベッドから手の届かない場所にスマホを置きます。

3)SNSに「いいね」をするのは1日1回

 際限なく流れるタイムライン。むやみに時間を費やしてしまうだけでなく、長時間のSNSの使用はスマホ中毒を招く大きな原因のひとつでもあります。平日休日問わず、他人の投稿を見るのは1日1回と決めています。

4)プッシュ通知をオフにする

 「地震速報」以外の通知をすべてオフに設定しています。メールやメッセージも手が空いたときに手動でチェックするので、急ぎの場合は電話をもらうようにしています。

 以上が誰でも実践できる対策です。

 もう少し厳しくスマホ離れしたい方は、こんな方法もあります。

5)LINEなどメッセージアプリの使用をやめる

 人によっては難しいかと思いますが、LINEなどのメッセージアプリを使わなくなると、だんぜんスマホ離れしやすくなります。私はある時期から、どうしてもLINEでしか連絡がとれない人以外には使わないようにしました。「使っていない」宣言をしてからは、想像していた以上に人付き合いのストレスから解放され、時間もとられなくなりました。

6)スマホ使用時間を制限するアプリを使う

 アプリを使うことによって、ある一定の時間以外は強制的にスマホを使えない状態にします。私が試してみたアプリは「Flipd」と「Offtime」です。

 ●Flipd
 スマホを一定時間ロックするアプリです。タイマーをセットしてアプリを使えないように設定することができます。

 ●Offtime
 スマホへの通知を一定時間オフにできます。通知を許可する相手(グループ)を設定することも可能です。

7)自宅ではスマホの電源を切る

 帰宅したらスマホの電源を切ることを習慣にする。それが一番確実なスマホ中毒対策です。ただ、固定電話の存在が消えつつあるいま、いざという時に家族や大事な人と連絡がとれないと困ります。そういう心配はないという方はぜひ試してみてください。

8)自分自身を啓蒙する

 スマホ中心のライフスタイルをいま一度見直すために、本を読むこともおすすめします。読むとスマホを手放せない自分がばかばかしく思えてきます。

 ●「サード・メトリック – しなやかにつかみとる持続可能な成功」(アリアナ・ハフィントン著、CCCメディアハウス
 ●「ウェブに夢見るバカ – ネットで頭がいっぱいの人のための96章」(ニコラス・G・カー著、青土社
 ●「退屈すれば脳はひらめく- 7つのステップでスマホを手放す」(マヌーシュ・ゾモロディ著、NHK出版

 いかがでしたでしょうか?

 文明の利器は、私たちの生活を豊かにするためにあるべきです。スマホを使う側の私たちが逆に使われ、自分たちの幸せな生活をむしばまれてしまうようなことがないように、自分自身がしっかり意識をもってスマホに向き合っていきたいですね。

幸田フミ
幸田フミ(こうだ・ふみ)
ITコンサルタント

 米パーソンズ大学卒業。ニューヨークのファッションマーケティング会社にウェブデザイナーとして勤務し、大手ブランドのウェブサイト制作やファッション系ポータルサイトの運営などを手がけた。帰国後2003年にウェブコンサルティング会社、株式会社ブープランを創業。IT活用のアドバイスや講演、執筆を行う。著書「大人のSNS入門 ITオンチ脱出大作戦」(かんき出版)、「はじめてのIoTプロジェクトの教科書」(クロスメディア・パブリッシング)等。2016年に株式会社FUMIKODAを設立。エシカルなスマートバッグブランド「FUMIKODA」を立ち上げ、クリエイティブ・ディレクターに就任。