退職を決める時に心配になることと言えば、失業期間中の定期的な収入をどうしたらいいか。会社員など雇用保険に一定期間加入している人の場合、再就職を果たすまでの期間は、雇用保険から支給される失業保険(正しくは基本手当)が経済的な支えになります。
日額×日数で決まる
雇用保険の基本手当は、退職する前の直近6か月分の給与から算出する「基本日額」と、年齢や勤続年数などによって決まる「給付日数」のかけ算で給付されます。
基本日額を計算する基となる、直近6か月分には、残業代や役職・資格などの諸手当、交通費などを含めて計算します。一方、賞与のほか、出張手当、結婚祝い金など一時的に支給されたものは含みません。
その直近6か月分の給与等を合計して180で割った日割りの金額(賃金日額)を計算し、その5~8割程度が基本日額となります。
年齢ごとに上限が決まっている
基本日額が「5~8割」と幅があるのは、年齢や賃金日額の金額によって計算式が異なるからです。
例えば、残業代や資格などの手当を含めて月25万円を直近6か月の給与等として受け取っていた30歳のケースで計算してみます。6か月の給与等の合計額は150万円。180日で割った賃金日額は8333円です。
基本日額の計算式は、30歳以上45歳未満では下記のようになっています。
今回のケースでは(2)にあたるため、計算した結果の基本日額は5488円となります。
給与等が高かった人は(4)の式に該当し、いくら高額であっても上限は7455円となります。計算式や上限額は賃金日額と年齢によって異なりますが、収入が高い人ほど賃金日額の5割に近く、収入が低い人ほど8割に近くなります。
なお、年齢ごとの基本日額の上限額は30歳未満で6710円、45歳以上60歳未満で8205円、60歳以上65歳未満で7042円となっています(平成29年度)。
この基本日額が何日分受給できるかは、給与金額や勤続年数、退職の理由によって異なります。来週は、受給できる日数の決まり方について整理していきます。
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