新年度になって走り抜けた1か月の疲れをゴールデンウィークに癒やしている方も多いかもしれませんね。実は、年度初めの4~6月には、あまり残業をしない方がお金をためる上で有利と言われることがあります。どういうことかご存知でしょうか?
社会保険料はざっくり計算
健康保険や厚生年金などの社会保険料は、月額の報酬を50(年金は31)の等級に分類して計算します。
例えば21万円以上23万円未満の人は22万円(18等級)、23万円以上25万円未満の人は24万円(19等級)として計算します。実際のお給料を1円単位まで反映して計算するわけではないということですね。
この等級は、4~6月のお給料の平均で決まります。そのため、この3か月間に残業をたくさんすると、等級が高くなり社会保険料も高くなるため損だ、という考え方があるのです。
必ずしも損とは言えない
例えば、健康保険料を支払っていると、病院の窓口での支払いの自己負担が3割で済み、高額療養費制度を利用することができます。支払う保険料の額は違っても、受けられる保障内容は同じなので、この点では確かに4~6月の残業を控えた方が有利と言えそうです。
一方で、厚生年金保険料を多く払うことは、将来のための老齢年金や、もしもの時に備える障害年金、遺族年金といった年金の額に影響します。つまり、将来、もらえる年金額が増えるというメリットもあるのです。
また、会社によっては必ずしも4~6月の給与から社会保険料を計算しておらず、12か月の平均額から算出する場合もあります。
こうした側面では4~6月の残業を避けた方が有利とは言えない部分もあります。
仕事の支障がなければ4~6月の残業を控えることもありかもしれませんが、この期間にたくさん働いたからと言って、損をしたと落ち込むほどの必要はなさそうですね。いずれにせよ、社会保険料の等級の改定は毎年9月に行われているので、その前後の給与明細はきちんとチェックしておいた方がいいかもしれません。
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