職場で泣くのは悪いこと? 涙の数だけ人は強くなれるのか!?

楽しく働くための社内政治力

写真はイメージです

 「顔で笑って心で泣く」ということわざがあります。

 本当はつらくて泣きたいところなのに、グッと我慢して笑顔を作る。「私、職場では泣かないと決めています!」という人、結構多いのかもしれません。

 おなかに力を入れたり、唇をかんだりしてその場をやり過ごす。ネガティブな感情を抑え、楽しそうにしていたり、何事もなかったかのように振る舞ったりするのはなぜでしょう?

 職場では、感情に任せて涙を見せることに否定的です。社会人として「周りに余計な心配をかけたくない」「弱い人間と思われたくない」「職場で泣くのは恥ずかしい」といった思いが強いのでしょう。

 でも、泣くことはそんなに悪いことでしょうか? 我慢し過ぎてストレスがたまったら、心と体のバランスに影響しそうです。

 私も新入社員の頃、ミスをした自分の不甲斐ふがいなさが悲しく、思わず泣いてしまったことがあります。隠れて泣いたつもりが、赤い鼻のせいで皆にバレ、恥ずかしい思いをしました。それ以来、厳しい上司にキツイ言葉で叱られても、「仕事では泣かない」と決めた私でした。

 しかし、35歳の時。あこがれていた他部署の管理職の女性から感情的な言葉を投げられ、心にトゲが突き刺さったような痛みを覚えました。「仕事なのだから、泣いてはいけない」と思えば思うほど感情のコントロールが利かなくなり、トイレに駆け込んで思いきり泣きました。すると、いつの間にか気持ちがスッキリ。スッキリしたら、「仕事に戻るぞ!」という元気がジワジワと湧いてきたのです。

 「仕事のミスは泣いても解決できない」という人もいます。でも、私の場合は、泣くことで心が解放され、次のステップに進むことができました。

泣きたいときは、泣いていい

 仕事をしていると思いがけない状況に遭遇して、涙があふれることがあります。

 全力投球した仕事が結果を出せなかった時の悔し涙。最も信頼していた上司から冷たく突き放された時のショックの涙。クレーム対応していたお客様から逆に励まされた時のうれし涙など。悲しくてもうれしくても涙が出るのが人間です。どうしても泣きたいときは、泣いていいのです。だけど、気を付けたいのは泣く場所です。職場なら、人前でなくトイレの神様の前で泣きましょう。周りの人に配慮することだけは、忘れないように。

泣き出した後輩への対応

 ミスを上司に責められ、泣き出した後輩に、さらに追い打ちをかける必要はありません。静かで人目につかない場所に(トイレや会議室)に連れていって、取りあえず落ち着かせましょう。落ち着いたら後輩の言い分に耳を傾け、必要があれば上司の言葉をかみ砕いて助言します。自分の失敗談を話してあげるのもいいでしょう。共感することが大事です。気持ちをわかってくれる先輩がいれば、後輩は安心して仕事に戻ってくれるでしょう。

 涙には気持ちを浄化させる力があります。涙を流すのは一種のストレス解消法でもあるのです。ストレス社会に生きる私たちは、時には大いに泣くことが必要なのかもしれません。

 泣きたいときは、思い切り泣いて、気持ちを切り替えましょう!

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関下昌代
関下昌代(せきした・まさよ)
著作家・キャリアカウンセラー

 亜細亜大学非常勤講師。熊本市生まれ。高校卒業後、住友信託銀行に就職。以後、派遣、臨時職員でテレビ熊本、熊本県庁などで勤務した。1989年シティバンク銀行に転職。いくつかの業務部を経て、2001年人事本部人材開発課に異動。社員研修プログラムの企画、社内講師役を務める。2009年3月、立教大学大学院異文化コミュニケーション学修士号取得。同11月末シティバンク銀行を退職。2011年4月より大学でビジネスマナーやコミュニケーションの科目を担当。著書に「伸びる女の社内政治力」(さくら舎)、「伸びる女(ひと)と伸び悩む女の習慣」(明日香出版社)「伸びている女性がやっている感情整理の新ルール」(KADOKAWA)、「シティバンク人事部で私が学んだ一生使える「気づかいの基本」が身につく本」(大和出版)「仕事も人間関係もうまくいく!マナードリル」(総合法令出版)「反学歴の成功法則」(経済界)などがある。

伸び悩む女の独りごと~異文化の交差点