昇進の声がかかったら、とどまるか進むか……あなたはどうする?

楽しく働くための社内政治力

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 働く30代の女性は、中堅といわれる年次に差しかかり、組織の中で「マネジメント(管理業務)」に行くべきか、現場の専門職としてスキルを磨くべきか悩むときもあるでしょう。

 上司からマネジメント職への声がかかったら、あなたはどうしますか?

 マネジメントに進んでキャリアアップするもよし、現場にとどまって、技術や知識をさらに磨いて将来の転職に備えるのもアリでしょう。

 車のハンドルを握るのはあなた。どんな道を選んでも、どんな結果になっても誰のせいでもありません。方向転換も寄り道もあなたの自由。要は、自分の人生はキャリアも含めて自分で切り開く覚悟が大事なのだと思います。

 目の前の仕事を真面目に取り組めば取り組むほど、次のレベルの仕事に恵まれるチャンスが到来します。評価され、期待されるのはうれしいのに、くよくよ悩むのはなぜでしょう?

 私にも経験があります。外資系の銀行で働いていた35歳の頃、上司から責任あるポジションに移るように言われた時、給料アップのうれしさをはるかに上回る、責任の重さへの不安で押しつぶされそうになりました。

 「部下のミスを見逃し、損失を出すような事態に陥ったらどうしよう……」「責任者として仕事の知識が明らかに不足している。周りに信頼されないのでは?」などなど。失敗への恐怖と、周囲からどう思われるかが心配で、一歩を踏み出せません。上司に正直に胸の内を打ち明けると、「それは誰にでもある不安。私も同じ気持ちでした。誰でも、最初からうまくいくとは限りません。とにかくやってごらん」とアドバイスされました。

 上司に背中を押され、心細いまま責任者を引き受けた結果、次のことがわかりました。

責任者になると、小さくなるストレスもある

 責任者になったら、毎日のストレスで胃が痛くなるのでは……と心配していましたが、むしろ逆でした。事務処理の流れを見直して時間短縮を実現したり、人の動線を考えて机の配置を変えたりするなど、ちょっとした仕事の改善案を実行に移すのにもそれなりの権限が必要です。職場環境を自分で変えられる喜びは、プラスのエネルギーを生み、他のことで感じていたストレスを小さくしてくれました。

 「あすは大事な会議がある」と思えば、前日はお酒も控え、早めに寝るようになりました。健康管理をしっかりするようになり、忙しいけれど、以前より健康的に。ストレスが減り、健康的になって、仕事も充実。「とにかくやってごらん」と言ってくれた上司に感謝です。

人の視線なんて気にしているヒマはない

 周りからの信頼は簡単には得られません。でも、人は大きな器を与えられると、それに合うように成長していきます。また、他部署の責任者との会議で顔を合わせる女性たちを観察すると、みんな自分の仕事を精いっぱいこなしています。他人の目なんか気にしているヒマはないことがわかりました。

 出る杭は打たれるから、なるべく目立たないようにして、組織の中で細々と生き延びたい――と思っていた私は、自分の車の行き先を他人に委ねていたのです。でも、到着した場所が気に入らなかった時、我慢を強いられるのは、もっと辛いことだと気付いていませんでした。自分の意思で走ってこそ、大きな満足が得られるのです。

 昇進を悩んでいる理由が「自信がないから……」なら、思い切って一歩を踏み出してはどうでしょう。

 大きな器に合わせて成長してこそ、喜びも充実感も大きい。

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関下昌代
関下昌代(せきした・まさよ)
著作家・キャリアカウンセラー

 亜細亜大学非常勤講師。熊本市生まれ。高校卒業後、住友信託銀行に就職。以後、派遣、臨時職員でテレビ熊本、熊本県庁などで勤務した。1989年シティバンク銀行に転職。いくつかの業務部を経て、2001年人事本部人材開発課に異動。社員研修プログラムの企画、社内講師役を務める。2009年3月、立教大学大学院異文化コミュニケーション学修士号取得。同11月末シティバンク銀行を退職。2011年4月より大学でビジネスマナーやコミュニケーションの科目を担当。著書に「伸びる女の社内政治力」(さくら舎)、「伸びる女(ひと)と伸び悩む女の習慣」(明日香出版社)「伸びている女性がやっている感情整理の新ルール」(KADOKAWA)、「シティバンク人事部で私が学んだ一生使える「気づかいの基本」が身につく本」(大和出版)「仕事も人間関係もうまくいく!マナードリル」(総合法令出版)「反学歴の成功法則」(経済界)などがある。

伸び悩む女の独りごと~異文化の交差点