転職先で地雷を踏まないためには……

楽しく働くための社内政治力

写真はイメージです

 「よし、新しい職場で、頑張るぞ~!」

 転職先の職場に通い始めるときの気持ちの高揚感。やる気満々なあなたは、つい、肩に力が入ります。転職が成功して、希望の会社に入れたのですから、気持ちが前のめりになるのは当然です。でも、やる気が空回りして失敗を重ねる――なんてことは避けたいものです。

 転職してから3か月は、新しい会社になじめるかどうかを決める大切な期間です。新たな職場で地雷を踏まずに、自分の居場所を作るにはどうしたらいいのでしょう?

 仕事の経験値がある人ほど、自信とプライドを持っています。これを最初から表に出してしまうと、「今度入ってきた人って、感じ悪くない?」「ちょっと、生意気だよね」などと、職場の先輩たちに反感を持たれかねません。

 転職先では、あなたは「ニューフェース(新人)」。ここは謙虚になり、学ぶ姿勢で先輩や職場を観察するところから始めましょう。社内ルールや、明文化されていない「しきたり」を知ることも、仕事を覚えるのと同じくらい重要です。良好な人間関係があってこそ、自分の本来の力が発揮できるというもの。まずは自分が仕事しやすい環境づくりからスタートです。

新しい職場に自分を合わせる

 32歳のA子さんは、前の職場では服装が自由だったため、転職先でもジーパンやロングスカートにセーター、といった姿で通勤していました。1か月ほどたった時、同じ部署の年上の先輩から呼び出されました。「遊びじゃないんだから、ジャケットくらい着なさい。あなたの服装は完全に浮いている!」。服装のことに無頓着だった彼女は、仕事ができれば何を着ていても許されると思っていたそうです。

 新入りは何かと注目される運命にあります。最初から人間関係に波風を立てないように、「郷に入っては郷に従え」の精神でいきましょう。

「前の職場では……」と言わない

 同業他社から転職してきたB子さんは、豊富な知識と経験を武器にイキイキと働く女性でした。しかし、彼女の口癖は「前の会社では○○だった」。B子さんは転職直後から、前の職場に倣った改善案を出し始めたのです。職場の先輩たちは「元の会社がそんなに素晴らしいのなら、転職してこなきゃよかったのにね~」とムッとしました。彼女のせっかくの提案も、枕ことばの「前の会社では~」のために、同僚たちの心には響きませんでした。

 「前の職場の良さ」は自慢に聞こえ、まるで今の職場のほうが劣っているように伝わってしまいます。また、前職の悪口も控えましょう。悪口は人の気持ちに不快感を与えます。前の職場の話題は避けた方が無難です。

 仕事の改善案を積極的に出すのは、本来、歓迎されるべきことです。しかし、相手が聞く耳を持ってくれるような「処世術」が必要です。まずは、地固めをしましょう。「彼女の提案なら、検討してみよう」という雰囲気ができるまで、コツコツと信頼関係を積み重ねましょう。

 まずは転職先になじむこと。それから力を発揮しても遅くない

関下昌代
関下昌代(せきした・まさよ)
著作家・キャリアカウンセラー

 亜細亜大学非常勤講師。熊本市生まれ。高校卒業後、住友信託銀行に就職。以後、派遣、臨時職員でテレビ熊本、熊本県庁などで勤務した。1989年シティバンク銀行に転職。いくつかの業務部を経て、2001年人事本部人材開発課に異動。社員研修プログラムの企画、社内講師役を務める。2009年3月、立教大学大学院異文化コミュニケーション学修士号取得。同11月末シティバンク銀行を退職。2011年4月より大学でビジネスマナーやコミュニケーションの科目を担当。著書に「伸びる女の社内政治力」(さくら舎)、「伸びる女(ひと)と伸び悩む女の習慣」(明日香出版社)「伸びている女性がやっている感情整理の新ルール」(KADOKAWA)、「シティバンク人事部で私が学んだ一生使える「気づかいの基本」が身につく本」(大和出版)「仕事も人間関係もうまくいく!マナードリル」(総合法令出版)「反学歴の成功法則」(経済界)などがある。

伸び悩む女の独りごと~異文化の交差点