どのくらいためれば良いのか、どのくらい貯蓄があると安心できるのか、悩む人は多いです。ひとっ飛びに貯蓄を増やすことは難しいですが、足元に小さな階段を用意すると、大きな貯蓄につながっていきます。
自己都合退職だと、失業給付に3か月の待機期間
お金をためる時には、まずは“使う用の貯金”と、“絶対に手をつけない用の貯金”に分けると取り組みやすくなります。定期的に旅行に出かけたり、大きなものが買いたくなったりする人は、毎月1万円ほどを“使う用”として別扱いにしておいた方が良いでしょう。
生活費の3か月分の金額が、絶対に手をつけない用貯金の最初の目標額です。手取り月収が25万円で、生活費として使うのが20万円の人の場合、20万円×3か月分=60万円をためることを目標にしましょう。
例えば、転職に伴い自己都合退職をした場合、失業給付までに3か月の待機期間が発生します。もちろん、もう少し貯蓄があるとより安心できますし、転職先を決めてから退職する方がより安全ですが、この60万円という額はその3か月の待機期間を埋める貯蓄となり、これがあれば新しい挑戦をしやすくなります。病気をした場合などにも60万円あれば、おおむね対応できますね。
20%の貯金を1年続けられたらたまる
先の例のように、手取り月収25万円、生活費20万円で月収の20%にあたる5万円を貯蓄に回すことができれば、1年で生活費の3か月分をためることができます。ボーナスに手をつけないなどの方法で、最初の勢いをつけても大丈夫です。
この方法を2年続けると、貯蓄は生活費の6か月分、120万円になります。貯蓄が100万円を超えると、少し達成感が得られます。お金を崩したくなくなる気持ちと、まとまったお金ができて使ってしまいたくなる気持ちが両方湧くため、ちょっと頑張りどころです。
個人差はありますが、貯蓄が300万円を超えると、少し投資をしたくなる人が多いようです。その場合は、数十万円など少額から検討すると良いでしょう。貯蓄が500万円を超えてくると、ほぼ貯蓄や投資の習慣が形成されていることが多いので、使う用貯金、手をつけない貯金、投資などのメリハリも判断できるようになってきます。
生活費の3か月分、6か月分、300万円、500万円超とステップを踏んで貯蓄を増やしていくことで、お金をコントロールできる習慣は身についていきます。
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- 風呂内亜矢(ふろうち・あや)
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1級ファイナンシャル・プランニング技能士(国家資格)CFP®認定者、宅 地建物取引士、住宅ローンアドバイザー
26歳(独身)のとき、貯金80万円で自宅用マンションを衝動買いしたものの、物件価格以外にも費用がかかることを知り、 あわてて貯金とお金の勉強を始める。現在は自宅を含め夫婦で4つの物件を保有し、賃料収入を得ている。 マンション購入をきっかけに転職したマンション販売会社では年間売上1位の実績を上げ、 2013年からはファイナンシャルプランナーとして独立。テレビ、ラジオ、雑誌、新聞などで「お金に関する情報」を精力的に発信している。 著書に『その節約はキケンです』(祥伝社)、『デキる女は「抜け目」ない』(あさ出版)などがある。ツイッター:@furouchiaya、LINE@:@furouchi
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