嫌な上司を踏み台にする、したたかさを持て!

楽しく働くための社内政治力

写真はイメージです

 「ああ、会社に行きたくない……」。嫌いな上司の顔が頭をよぎり、朝からため息。そんなときは、「上司に恵まれていない私は何て不幸なんだろう」と、落ち込みますよね。

 困った上司、ダメな上司、許せない上司――。嫌な上司のタイプはバラエティーに富んでいるのに、残念ながら理想の上司にはなかなかめぐり合えません。理想と現実のギャップにイラっとしている自分をまずは受け入れ、ネガティブモードからいち早く脱出しましょう!

「嫌いなままでいい」と開き直る!

 上司のことを考えるだけで倦怠けんたい感に襲われるという人は、自然とわき上がる「嫌だな~」の感情を抑え込む必要はありません。無理してコミュニケーションを取ろうとしなくてもいいのです。ここは我慢しないで、「嫌なものは嫌なんだ」と心の中で開き直りましょう。それだけで、心の重荷が取れて、すっきりします。

 ただし、組織で働く以上、上司との関係から逃げることはできません。あなたを評価し、キャリアアップの鍵を握るのも上司です。心の中で上司を「こいつはアホか」と思っていても、仕事には真摯しんしに取り組みましょう。嫌いな上司を回避するあまり、仕事の成果に影響が出たら、自分が損をします。遠ざかり過ぎず、近づき過ぎない距離をキープしながら、粛々と仕事を進めていきましょう。それが成果につながれば、上司のことなどどうでもよくなるかも。

 嫌な上司もいずれ異動していきます。あなたがキャリアアップして、上司のもとを去る日が来るかもしれません。それまでのほんの一時の付き合いと割り切りましょう。

上司のパンチで力をつける

 つぎはポジティブな解消法を、私の経験から提案します。外資系銀行勤務時代、私は30代の中堅社員となり、自分ではバリバリ働いているつもりになっていました。ある日、「新入社員でも、もっとましな企画書を書くよ。書き直し!」と、上司のパンチが飛んできたのです。上司は同僚たちの前で強い口調で叱り、私の面目をつぶしました。しばらく落ち込みましたが、結果的にこのパンチが私を強くしてくれました。

 この上司からは、その後も何度か強烈なパンチをくらいました。そのおかげで、上司の繰り出すどんなパンチを受けても立っていられる、打たれ強さと踏ん張る力を鍛えられたのです。

 時には、同僚やさらに上の上司を味方にしてパンチをかわすフットワークを身につけ、たまには理論武装して打ち返すスキルも磨く。好きな上司だったら、こうはいきません。嫌いな上司だからこそ、「負けるもんか!」とがんばれたのです。職場を「修業の場」と捉え、給料をもらいながら自分を磨く場所と考えましょう。

 嫌いな上司を踏み台にして、したたかに自分を磨け!

関下昌代
関下昌代(せきした・まさよ)
著作家・キャリアカウンセラー

 亜細亜大学非常勤講師。熊本市生まれ。高校卒業後、住友信託銀行に就職。以後、派遣、臨時職員でテレビ熊本、熊本県庁などで勤務した。1989年シティバンク銀行に転職。いくつかの業務部を経て、2001年人事本部人材開発課に異動。社員研修プログラムの企画、社内講師役を務める。2009年3月、立教大学大学院異文化コミュニケーション学修士号取得。同11月末シティバンク銀行を退職。2011年4月より大学でビジネスマナーやコミュニケーションの科目を担当。著書に「伸びる女の社内政治力」(さくら舎)、「伸びる女(ひと)と伸び悩む女の習慣」(明日香出版社)「伸びている女性がやっている感情整理の新ルール」(KADOKAWA)、「シティバンク人事部で私が学んだ一生使える「気づかいの基本」が身につく本」(大和出版)「仕事も人間関係もうまくいく!マナードリル」(総合法令出版)「反学歴の成功法則」(経済界)などがある。

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