家計簿というと、「つけるのが面倒」「毎日は続けられない」と、苦手意識を持っている方がいるかもしれません。そんな人もアプリを使えば、家計簿に取り組みやすくなるのでは。金額の入力自体も楽になりますし、データ連携をすれば自分で書き込まなくても自動化されます。手間をかけずに毎月の収支を把握できるとうれしいですね。
手入力、レシート撮影、データ連携などさまざまなやり方で
家計簿アプリの主な入力方法は手入力、レシート撮影、データ連携の三つです。
まず、手入力は買い物の都度、自分で入力する方法。電車に乗っている間などの隙間時間を利用して入力できるため、記帳の負担をぐっと軽減できます。
レシート撮影は、レシートの写真を撮って、その画像から文字を読み取り(OCR読み取り)入力するやり方。通常は自動読み取り機能が多いのですが、「Dr.Wallet(ドクターウォレット)」は届いた画像の内容をオペレーターが目視確認し、手入力してデータにしています。
データ連携は、銀行口座やクレジットカードなどからデータを取得する方法です。日々、連携を設定した各金融機関から残高や入出金履歴を集計するため、自分で入力しなくても、記録されます。「MoneyForward(マネーフォワード)」や「Moneytree(マネーツリー)」などが有名ですが、多くのアプリに搭載されている機能です。
家計の見直しは、「家計簿をつけること」でできるのではなく、「記録した結果を振り返り、改善策を実行する」ことで実現します。ということは、アプリを使って“面倒な”記帳のプロセスを軽減できれば、その分、振り返りや分析に時間を割くことができるわけです。
家計簿アプリ、事業者が登録制に
データ連携については、アプリに銀行口座やクレジットカード情報を入力するため、セキュリティーが気になる方もいるかもしれません。「パスワードをこまめに変える」「お金の流れがある口座だけを連携させて貯蓄口座は連携させない」など、使い方を工夫しましょう。
また、この5月に銀行法が改正され、家計簿アプリの事業者を登録制にすることが決まりました。1年以内に施行され、銀行などの金融機関側と家計簿アプリ事業者が契約を結んで、情報のやりとりや損害賠償責任を分担するなど、サービスを安心して使える環境に向かっています。
制度改正を見守りながら使い方を工夫して、手間をかけずに安全に家計の現状が把握できれば理想的ですね。