短い時間で効果的に自己紹介をするのは難しいものです。もともと日本人は自分をアピールすることが苦手。きょろきょろ落ち着きがなかったり、早口になったり、口をもごもごさせたり、いかにも自信がなさそうな態度では、相手に好感を持たれません。
自己紹介の鉄則は「にこやかに、きびきびと、はきはき」話すことです。まず、軽く会釈したら、フルネームで名乗りましょう。このときに首を傾けたり、髪の毛を触ったりしないように。「かわいい」アピールは必要ありません。むしろ好感度を下げてしまいます。
ビジネスシーンでは自己紹介の後、名刺交換をします。このとき、名刺は目下の者から、もしくは訪問した側から差し出すのがマナーです。名刺交換のとき、つい手元に目線を落としがちですが、相手の目を見ながら笑顔を意識してください。また、人を紹介する場合は、どちらを立てるのかを考えましょう。自社と他社では他社を立て、役職にかかわらず自社の人から先に紹介します。
コミュニケーションの場での自己アピール
社内研修や他社との意見交換会などで自己紹介をする場合、年齢や職歴などの基本情報で終わらせる人が少なくありません。照れてしまって、早く切り上げようとするのは、もったいないことです。コミュニケーションは言葉のラリーなので、相手に興味を持ってもらうことが大切です。とはいえ、聞かれてもいないのに、自分の自慢話ばかりするのもスマートではありません。

ビジネスの話題だけでなく、例えば地方出身の場合、ご当地の情報を自己紹介の一部に入れてみてはいかがでしょう。「静岡の出身で、目の前に富士山を見ながら育ちました。なので、東京から見える富士山は何だか違う山に見えます」と話すだけで、その人らしさが垣間見えて、話題が広がる可能性があります。
ありきたりのつまらない自己紹介に終わらないためには、自分に「WHO AM I?」と問いかけることです。自分が何者なのか、自分のストーリーを考えてみてください。アピールするポイントが見えてきませんか?
フリートークの時間で重要なのは、「聞く力」です。アピールしたいからといって、自分の話ばかりしていてはダメです。話上手な人ほど、聞き上手でもあります。相手のどんな話にも興味を持ち、面白がり、参加しましょう。初対面の時に魅力を感じさせる人は、自分に自信がある人が多いです。ゆとりを持って人の話を聞ける人は、エレガントで大人の自信にあふれています。
「魅力的」という評価は、他者が下す評価です。それは、見た目の好感度、顔の表情や立ち居振る舞い、コミュニケーションの力など、総合的な表現力があってこそ得られる評価です。「魅力的な女性」を目指して、「WHO AM I?」を実践してみてください。
モデル*中津留真代/撮影*高梨義之