「試用期間が終わったら解雇」はダメ…「試用期間」の法的性質

弁護士ドットコムニュース

 正社員と採用された人が、本採用となる前にある「試用期間」。4月1日入社の方の場合、7月1日あるいは10月1日から、正式な採用となる場合があるようです。この「試用期間」は、法律ではどのような状態をさすのでしょうか。

 弁護士ドットコムの法律相談にも、質問が寄せられています。

 ○Aさん「『試用期間が終わったら解雇してやる』と言われた」

 正社員と採用され、3カ月間の試用期間の真っ只中にいるAさん。「試用期間が終わったら解雇してやると脅されています。多少仕事の覚えが悪いのは自分でも認めますが、一生懸命やっています」と相談を寄せました。

 試用期間中に解雇されるのはやむを得ないのでしょうか。また試用期間は、どの程度の期間が認められるのでしょうか。佐藤正知弁護士に聞きました。

法的には「本採用拒否=解雇」になる

 就業規則等では、採用後の一定期間が「試用期間」であり、試用期間満了時点で本採用となると定められていることが多いですね。

 本採用というと、それ以前の「試用期間」とは別に、あらためて労働契約を結ぶように聞こえます。しかし法的には、試用期間満了前後を通じて1つの労働契約です。このため、雇い主による本採用拒否は、法的には解雇にあたります。

 Aさんは「試用期間が終わったら解雇してやる」と言われているそうですが、試用期間中であっても、解雇のプロセスを踏む必要があります。解雇である以上、「客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合」(労働契約法16条)には、本採用拒否は、認められません。

解雇されても仕方ないケースは?

 多少仕事の覚えが悪いとしても、雇い主が教育を尽くしていなかったり、成長の見込みがあれば、本採用拒否は許されません。逆に、具体的で丁寧な指導をしても同じ不手際を繰り返すようであれば、本採用拒否も仕方ないと判断される場合もあります。

佐藤正知(さとう・まさとも)弁護士

 神奈川県弁護士会所属。労働者側の労働事件を中心に取り扱う。日本労働弁護団常任幹事。神奈川過労死対策弁護団事務局長。過労死等防止対策推進全国センター幹事。著書「会社で起きている事の7割は法律違反」(共著・朝日新聞出版)等。

事務所名:横浜法律事務所