歓送迎会で部長の隣に必ず女子、これってセクハラ?!

小町のリーガ~ル道場

 皆さん、初めまして。弁護士の西山温子と申します。食べることと、犬と剣道が大好き、アラサーとアラフォーのハザマ世代の働き女子です。

 「小町のリーガ~ル道場」は、現場でちょっと役立つ法律知識を提供し、実践的な法律知識をそつなく身に付けた女子、名付けて「リーガ~ル」となっていただくことをコンセプトにしたコーナー。剣道の試合のように、3本勝負で紹介します。よろしくお付き合いください。

いざ勝負! 職場の「セクハラ」、訴えてやるって言える?

「社会的に問題とされること」と「法律問題」は同じではない

 リーガ~ルに最初に覚えておいてほしいこと。それは、社会的に問題とされる言動のすべてを法で裁ける(犯罪や、損害賠償請求の対象になる、行政上の監督を受ける)わけではない、ということです。いざという時に「訴えてやる!」と言うためにも、法の定義や解釈、適用範囲などを知って、法律問題になるかどうかを知っておいた方が有利です。

 働き女子たちの戦場「職場」での「セクハラ」を考えてみましょう。職場の飲み会で、女性社員の横に座りたがる管理職に「部長、それセクハラですよー」などと半分冗談、半分本気でこの言葉を使った経験がある人も多いのでは?

 「ハラスメント」は嫌がらせという意味で、「セクシュアル・ハラスメント」は、相手の嫌がる性的な発言や行動のこと。ポイントは、「相手の嫌がる」、つまり「相手の意に反する」、という部分。一般的な意味でいえば、これがハラスメントに当たるか否かの分かれ目です。

「リーガ~ルポイント」
相手の意に反するかどうかが、ハラスメントに当たるかの分かれ目

弐本目!「セクハラ」は、法律ではどう定義されているの?

 職場でのセクハラは、「男女雇用機会均等法(正式名称:雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に関する法律)」に定義があります。

男女雇用機会均等法第11条1項
職場において行われる性的な言動に対する雇用労働者の対応により労働者がその労働条件につき、不利益を受け、又は当該性的な言動により当該労働者の就業環境が害されること」

 では、「飲み会」は、職場でしょうか。季節柄、歓送迎会のシーズンですよね。

 事実上、職務の延長と考えられるものは、社外でも勤務時間外でも「職場」に含まれると考えられます。出張や移動中の車中はもちろん、宴会、打ち上げなどもその時のメンバーや任意参加かどうかなどで「職場」と判断される場合があります。

 セクハラは、男性が女性にというイメージがありますが、女性が男性に、または同性同士でも起こり得ますので、ご注意を。

「リーガ~ルポイント」
「職場」は、社内に限らず、職務の延長と考えられるものも含まれる

参本目!「性的な言動」は、どこまで?

 次に続く「性的な言動」について。性的な関係やデートを迫るほかに、性的な事実関係を尋ねること(「今日は生理か?」「最近エッチしてる?」など)、性的な内容のうわさを流すこと(「不倫している」「豊胸手術をした」など)、個人的な性体験を話すこと(「夜のテクニックには自信がある」「近頃嫁さんとご無沙汰で」等)などがあります。わいせつな画像をパソコンのスクリーンセーバーに設定したり、メールを送ったりすることも含まれます。
 
 では、飲み会で隣に座らせられて不愉快な思いをした時には? 

 それがセクハラと法的に認められるかどうかは、条文の続き「不利益を受ける」「就業環境が害される」ことがカギになってきます。

 このように、条文を分解して読み解くと、法律問題になるかどうかの境目が見えてきます。

 次回以降、事例に基づきながら解説していきますね。

「リーガ~ルポイント」
「性的な言動」にはうわさ話なども入る。条文を分解して、理解しよう!

西山温子(にしやま・あつこ)
弁護士。

 第一東京弁護士会、インテグラル法律事務所所属。アラサーとアラフォーのハザマ世代の働き女子。剣道四段。取扱業務は、離婚、相続、労働をはじめとした一般民事事件ほか。一期一会を大切にクライアントの立場に寄り添った弁護活動がモットー。