Q.同性間で「セクハラ」、相手の女性から慰謝料はもらえますか?

小町の法律相談

画像と本文は関係ありません

 会社員の女性。社内で60歳前の男性と20代の女性から胸やお尻を触られるセクハラを受けました。会社の専用窓口に相談をしましたが、男性も女性も口頭注意のみで、異動などの措置は取ってもらえません。私はこの2人と同じ空間で働けなくなり、休職に追い込まれています。

 会社側の言い分は「男性は心身ともに病気を持っている。女性は性的な欲求ではなく、過剰なスキンシップだ」というもの。疑問なのは、会社側が同性間のセクハラを軽視していることで、どちらかというと女性からの行為の方が1年以上に及んで次第にエスカレートし、男性から受けたのと同等の不快感があるのです。

 私は今後、どのようにすればいいのでしょうか? 慰謝料はもらえるのでしょうか?

トピはこちら⇒「セクハラ相談」

A.同性間でもセクハラは成立します

 同性間でもセクハラは成立。慰謝料はもらえます。

 セクシュアル・ハラスメントとは、相手の意に反する性的な発言及び行動をいいます。

 必ずしも、異性間のものに限られません。女性が女性に対し、必要なく身体に触れる行為も、もちろん、セクハラに該当します。

 ご相談の件では、会社側は女性の行為は「性的な欲求ではなく、過剰なスキンシップ」と認識しているとのことですが、相談者の方の意思に反しているわけですから、十分、セクハラにあたります。期間が1年もの長期間にわたっているということであれば、かなり悪質な事例といえますね。

 セクハラは、不法行為(民法709条)として損害賠償請求の対象になります。ですから、精神的損害の賠償、いわゆる慰謝料の対象にもなります。また、職場においてこのような不法行為が行われた場合には、会社にも使用者責任(民法709条)や職場環境配慮義務違反(民法415条)が認められる場合があります。

 さらに、男女雇用機会均等法は、事業主に対し、職場における性的な言動に起因する問題に関する雇用管理上の措置を講ずるよう定めています(男女雇用機会均等法11条1項)。このため、事業主は、セクハラに関する相談があった場合、事実関係を確認した上で、行為者に対する措置(懲戒処分や配置転換等)を適正に行わなければなりません。

 もし、会社が相談にきちんと応じてくれない場合には、都道府県の労働局雇用均等室など、外部の第三者機関に支援を求めることも考えてみてください。

熊谷真喜(くまがい・まき)弁護士

 1997年東京大学法学部卒業、2000年弁護士登録。外務省に出向して条約交渉に携わった後、弁護士として復帰し、2011年二重橋法律事務所設立にパートナーとして参加。企業法務全般を手掛けるほか、企業向けにハラスメント防止セミナー等も行っている。

事務所名:二重橋法律事務所