自分らしく健やかに働き続けるには? 働く女性の健康課題をテーマに座談会開催

PR

女性が自分らしく健やかに働き続けるために必要なことや新たな働き方の提案などについて、企業や医療現場で女性の健康施策にかかわる担当者4人が最新の現場事情を語り合った。女性が心身ともに健やかに働き続けることができる職場環境づくりは、女性の活躍推進とともに企業の労働生産性の面からも重要になっている。座談会はオンラインで実施し、ファムメディコ代表取締役で薬剤師の佐々木彩華さん、三菱地所エリアマネジメント企画部まるのうち保健室担当の井上友美さん、住友生命人事部人事室副長の有田麻美さん、ファンケル人事部人事企画課長の和田聡美さんが参加した。

男女の体のつくりの違いを理解することから始まる

佐々木 女性には、女性特有の健康課題があります。この中には月経痛など月経に伴う症状や更年期症状などがあり、女性自身も知らないことが多くあります。まず、女性特有の健康課題を「知る」「調べる」「防ぐ」という3つの点からとらえることが大事です。

ファムメディコは、企業に対して、男女の性差を考慮した健診などさまざまな制度を取り入れてもらうための活動を行っています。働き盛りの世代の女性が気を付けるべき疾患、年代別に必要な健診内容を取り入れた「YOU健診」の啓発活動もその一環です。

男女の体のつくりの違いから生じる健康課題を解決しながら、女性が自身のキャリアを築いていけるようにするには、個人の努力だけでは難しく、制度や環境づくりなど社会全体で取り組んでいくことが必要だと感じています。

井上 菱地所では、働く女性の健康面を支える目的で、2014年から「まるのうち保健室」を運営し、ポピュレーションアプローチを実践しています。「まるのうち保健室」の活動を通した調査結果からは、「働く女性はめいっぱいタスクをこなし、懸命に働いている」ということが言え、自身の健康に気を遣うことが後回しになってしまっている方も多くいらっしゃいました。

女性ならではの健康問題について、女性個人へアプローチし気づきを得てもらうことも大切ですが、企業ではチームで働くわけですから、男女が相互を理解することが必要だと思っています。その上で、女性の働きやすい環境醸成も行っていきたいですね。働く女性たちが、人生における様々な選択肢を得て、ワークもライフもあきらめずにポジティブに人生を歩めるような環境づくりを目指しています。

有田 住友生命は営業職員も含め、従業員の9割近くが女性です。内勤職員も半数以上が女性ですが、20年ほど前は女性は結婚や出産を機に退職するケースが一般的であったのに対し、現在は結婚や出産後も働き続ける人が増えています。

育児休業は3年間、育児に伴う短時間勤務は小学校卒業まで可能となるなど子育て支援にかかわる制度を充実させています。

和田 ファンケルは、女性が正社員全体の約7割を占めており、女性の活躍が企業の成長にとって非常に大切な要素となっています。こうした企業文化を背景に男女関係なく社内全体のチームワークの良さにつながっていると考えています。

また社内で多くの「働くママ」に接している影響もあり、男性社員の家庭での育児参加率も高くなっています。保育園の送迎だけでなく、「今日は食事を作るので先に帰ります」と話す男性社員もいます。

女性の仕事のパフォーマンスアップにつなげるために

井上 「まるのうち保健室」は、会社でもクリニックでもない第三の場所として働く女性の健康の悩みに寄り添ってきました。実際、「相談できる人が近くにいない」「クリニックに行くほどなのか悩んでしまう」といった方がいらっしゃいました。そういった悩みの多くは、女性ならではの身体の仕組みや健康に関する情報(妊娠・PMS・更年期等)、また食事に関する知識を得ることで解決することが多くあります。

個人への気づきを促すとともに、働く女性の健康に関する課題を企業単位で共有できれば、さらに女性たちの活躍を後押しするサポート作りにつながると考えています。

佐々木 従業員の健康管理を経営的な視点でとらえて戦略的に実践する「健康経営」という考え方につながりますね。ただ、女性特有の健康課題や女性の医療という視点からみると、まだ十分とはいえません。

「女性特有の健康課題や症状で困ったことがあった」と9割超が回答

実際、仕事中に女性特有の健康課題や症状で困った経験を持つ女性は少なくありません。

働く女性の現状を知るために、OTEKOMACHI読者の働く女性にアンケート(※1)を実施したところ、女性特有の健康課題や症状によって、勤務先で、「困ったことがあった」という人は全体の9割を超えました。

女性特有の健康課題を理由に「働き続けることや昇進をためらったことがある」人は4割近くに上りました。経済産業省によると(※2)、女性特有の月経随伴症状などによる労働損失は4911億円と試算されています。

OTEKOMACHIの事前調査によると企業のサポートでは、「子宮頸がんや乳がんなど女性特有の病気の検診を促している」のは23.5%にとどまりました。また女性特有の健康課題により、働き続けることや昇進をためらった人が全体の3分の1を超え、その際にあれば助かったものとして半数近くが「会社による業務分担や適切な人員配置などのサポート」をあげています。

※1 OTEKOMACHI WEBアンケート(2021年2月実施、回答数102)

※2 出典:経済産業省「健康経営における女性の健康の取り組みについて」

佐々木 近年、多くの企業が導入しているメタボ健診ですが、20代や30代の女性にとっては、子宮全体や卵巣の状態を確認する検査「経腟超音波検査」も同じくらい重要ではないかとも考えられています。

こうした疾患は月経過多、貧血、月経痛などQOLの低下になる可能性や、不妊症や一部ではがんに進行することもあるため、早期発見と早期治療が重要で、女性がいつまでも自分らしく歳を重ねていくために予防医学や女性医療の視点でみると必要な検査であると考えています。

実際、20代から40代の女性の3人に1人はなんらかの婦人科系疾患が潜んでいるとされるデータもあります。こうした健診制度は、女性個人の努力では解決しない社会課題で、企業の取り組みが必要になってきます。

YOU健診」は女性の罹患率と死亡率が高い乳がん、子宮がん、大腸がんの3つのがんに加えて子宮内膜症や子宮筋腫など女性特有の疾患をチェックします。

井上 「まるのうち保健室」で実施した調査では、現在の働く女性は、1日あたりの食事の平均摂取カロリーが戦後間もないころより低く、睡眠や運動も不足しているという結果が出ました。こうした働く女性のリアルな数値も、生活習慣や食生活の見直しの注意喚起をはじめ、女性が働きやすい環境づくりに生かしたいです。

女性が健康的に過ごすための取り組みを継続するためには、伴走者が必要です。今後ますます、企業の理解や支援が重要になってくると考えています。

和田 ファンケルは、グループ従業員約3,700人に対して保健師5人が常駐して、従業員の心と体のケアを行っています。コロナ禍では、健康に対する不安が高まったこともあり、保健師が土日も交代で対応しました。また、女性の健康支援では「乳がんセミナー」を行い、自己触診の方法を知ってもらうなどしています。

社内では、子育てをしながら働く女性が多く、その中には部長や役員もいます。今後も女性の登用を積極的に進めると同時に、こうした女性のロールモデルを社内だけでなく社外にもアピールすることも大事だと思っています。

有田 住友生命では、女性特有の健康の悩みにこたえるため、昨年、女性に特化した健康相談ダイヤルを設けました。女性特有のさまざまな健康問題に対応していきます。

職場環境づくりでは、仕事と育児の両立支援施策の次のステージとして、病気治療や不妊治療などについて職場の理解を深めることが大切になっていると考えています。例えば、「不妊治療も頑張りたい」という人が安心して治療と仕事を両立できるようにするなど、社内全体のリテラシーを高めていきたいです。

井上 女性活躍推進法を追い風に、働く女性の環境づくりに関する施策として、出産前後の制度の拡充が進んでいます。ただ、働く女性自身が人生の選択肢を広げるためにも、自身の身体を知り、ライフイベントを知るということがとても大切なのではと感じています。また、働く女性自身だけでなく、職場の男性社員や管理職の方も、例えば女性が一生付き合う「女性ホルモン」に関して学び知ることで、妊娠・PMS・更年期などそれぞれの世代の関心事に寄り添いサポートし合うことで、お互いが働きやすい環境づくりに繋げることができると考えています。

「まるのうち保健室」では今後も、働く女性をはじめとした多くの方が、女性ならではの健康状態やライフイベントについて、知り、学び、気づきを得ていただけるような環境づくりやサポートを、街としても提供していければと思っています。

女性に必要な検査を取り入れた健診でサポート

佐々木 ファムメディコが啓発活動を行っている「YOU健診」は、子宮(Y)、大腸(O)、乳房(U)の形をアルファベットになぞらえて名付けています。女性の罹患率や死亡率が高い乳がん、子宮がん、大腸がんの3つのがんと子宮内膜症や子宮筋腫など女性特有の疾患をチェックします。

私たちがコンサルティングを担当する女性専用の健診施設「クレアージュ東京 レディースドッククリニック」ではYOU健診が受けられます。

将来的には、ここで集積したデータなどを生かして働く女性の健康課題の抽出などができればと考えています。私たちは女性が心身ともに健康で充実した毎日を過ごすことができるよう医療面からサポートします。

■クレアージュ東京レディースドッククリニックの詳細はこちら