仕事のアイデアがどんどん浮かぶようになりました! エーザイ 白鳥沙紀さん

活躍する女性CMA(1)

エーザイ 財務・経理本部財務・投資戦略部コーポレート財務グループ 課長 白鳥 沙紀(しろとり・さき)さん

 CMA(日本証券アナリスト協会認定アナリスト)と聞いて、どんなイメージを思い浮かべるでしょうか。CMA資格を持ち、各業界の第一線で活躍する女性に、現在のお仕事や資格を通して得たこと、勉強方法などについてお聞きします。

CMAの勉強はワクワクして楽しかった」

 白鳥さんは、大手製薬メーカー「エーザイ」(本社・東京都文京区)の財務・投資戦略部で資金繰りや資金調達、為替管理など財務にかかわるお仕事を担当しています。製薬会社が成長し続けるためには十分な研究開発費や戦略投資等の資金確保が必須で、財務戦略は経営戦略上、とても重要なカギを握っています。現在、特に注力しているのが、「政策保有株式の売却や年金改革などガバナンス面の分野」といいます。

研究員としてエーザイに入社後、財務部門へ異動

 白鳥さんは、入院したことがきっかけで、大学・大学院では薬学と医学を専攻・研究し、薬剤師となりました。専門性を活かして、薬づくりに携わりたいとエーザイに入社後、研究所に配属となりましたが、その後IR部門を経て財務部門に異動となります。財務部門では、「ベースとなる知識がないと、新たな仕事のアイデアを生み出すことはできない」と、知識の必要性を痛感したそう。

 CMA資格のことは上司からの紹介で知り、どんな知識が身に付くのか書店でテキストを見たところ、「『証券分析とポートフォリオ・マネジメント』『財務分析』『経済』と、まさに今自分が必要としている金融市場の知識を体系的に学ぶ科目がパッケージ化されている」と感じて、受講を開始したそうです。

1日24時間の中で勉強できる時間を書き出す

 白鳥さんは、3科目同時に受験する方法を選択。「3科目とも関係性があって面白く、一緒に勉強することでかえって理解が深まりました。例えば新聞記事でも、それまではバラバラに見えていた各記事が、実はこんなふうにつながっているんだ、と見えてくるようになりました」

 いざ、試験勉強をスタートしてみると、勉強自体は「ワクワクして面白い」ものの、仕事が忙しいうえ、プライベートでもなかなか時間がとれません。そこで、「どこにすきま時間があるか」と、124時間のタイムスケジュールを書き出しました。すると、起きてすぐと会社の始業前、通勤時、昼休みを合わせて平日2時間を確保できることがわかり、「その時間だけは勉強しようと決めました」

 通勤時のバスでも関数電卓を抱えて勉強に集中するあまり、時々乗り過ごしそうになると同じ会社の人が「着きましたよ」と声をかけてくれるなど、次第に協力者も現れたそう。なるべく問題による演習を重視し、公式はノートにまとめて移動時間に見直しを行いました。勉強が進むにつれて「仕事のアイデアが浮かんでくるようになりました」。2016年にCMA資格の第1次レベル、翌年に第2次レベル試験に合格と2年弱でクリア。そのノートは、今も時々見返して知識の定着に役立てているといいます。当時を振り返って白鳥さんは「一度にたくさんのことをこなせるようになりました」

CMA資格を通じて社外の専門家と交流

 CMA資格者となってから、白鳥さんは「社外のファイナンスやガバナンスの専門家らさまざまな方々と出会い、交流が広がった」といいます。「企業価値向上について熱く語り合えるような師匠や兄貴、同志と呼べるような方々、ロールモデルにしたい素敵な女性に出会い、視野が広がり気持ちもさらにポジティブになりました」

 昨年、エーザイの企業年金基金は、機関投資家が果たすべき行動指針「スチュワードシップ・コード」の受け入れを表明しましたが、この時、白鳥さんは「CMAとなりガバナンスの知見を得たことから、『スチュワードシップ・コード』の受け入れ表明を会社側から支援することにつながった」と語ります。現在エーザイ企業年金基金は、環境・社会問題の解決や企業統治の取り組みに前向きな企業を選んで保有する「ESG投資」にも着手、「年金基金におけるグローバルスタンダードを目指す支援をしていきたいです」とも。また昨年は1本論文を執筆し、今後もアウトプットの強化を掲げます。この春から課長に昇進し、経営職として仕事にあたります。

CMA資格が今の仕事のベースになっています」

 製薬会社で働く一員として「企業価値向上を通じて、持続的に患者さんへの貢献を果たすこと。そのためには、会社として挑戦し続けることが大切」と使命を語ります。今後の目標について、「製薬会社の研究開発、イノベーションを支えるために市場の声を反映した経営財務戦略を推進していきたい」と白鳥さん。「CMA資格が今の仕事のすべてのベースになっています」と語ります。

「自分の新たな強みを作ることができた」

 CMA資格について、「投資家と共通言語を持つことで、その声を経営戦略に反映させることができる」として、特に事業会社の財務経理部門や経営企画担当の方におすすめしたいといいます。財務の仕事の面白さは「市場の声を聞けること」と語ります。「日本の価値を高めるにはどうすればいいか」社外の専門家の方々との研究会で真剣に話しているそうです。「私のような畑違いの分野出身者であってもテキストに沿って学んでいけば、体系的に金融資本市場の知見を得て、新たな強みを作ることができます。そのための一歩を踏み出すことができて、よかったです」

CMA(日本証券アナリスト協会認定アナリスト)資格とは?
 企業の価値とその将来価値の評価・予測を行うために必要な知識を体系的に学べる資格で、いわば「企業の“未来予想図”」を論理的に導き出せるスキルが身に付きます。こうしたスキルは経営や投資を考える上での土台となるので、活躍の場がさらに広がります。CMAについてはこちら

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