未来に向けたお金をどうやって確保しておくかは、働く女性にとって関心の高いテーマです。しかし、どうやって始めればよいのか分からないという声もよく聞かれます。東京・マロニエゲート銀座2のカフェに仕事帰りの女性が集まり、食育インストラクターとして幅広く活動する和田明日香さんとともに、ファイナンシャルプランナーの風呂内亜矢さんから今すぐできるお金の貯め方について学びました。(聞き手はOTEKOMACHI・小坂佳子編集長)
和田明日香さんトークショー
子どもと仕事、私のライフスタイル
一番下の子どもを保育園に預け、3年半くらい前から本格的に仕事をしています。仕事で良いことを吸収できれば家に反映できるし、家で子どもたちと接しているうちに発見したことを仕事に反映できます。両方やっているからこそ、うまく回せることもありますよね。
年齢を重ねるうちに、自分の中の好きなものが分かってきました。仕事を頑張っていただいたお金なので何でもかんでも使うのではなく、価値を感じたものにきっちりとお金を払いたいです。
息子が生きものへの興味を爆発させたので、図鑑を買ってあげました。図鑑を見て私が知らないことを教えてくれたときは、払った以上の価値を息子からもらえたと感じました。味覚も12歳までに本物の味を覚えるかどうかで、その後の食の豊かさが変わります。調味料も投資だと思って、こだわって買っています。
ただ、将来に向けて計画を立てるのが苦手で、お金のこともまるで詳しくないです。
トークセッション
私らしい未来に向けたお金の話
小坂 お金はどう貯めればよいのでしょうか。
風呂内 好きなものを我慢する人が多いですが、お金をかけたくないものから削るのがオススメです。気づいていないうちに、使っているお金がありませんか。
和田 あっ、コンビニでコーヒーをつい買ってしまうのですが、歩いているので飲めないことがあります。あれはやめます。
風呂内 銀行口座やクレジットカードの明細を見て、使っていないジムの会費や携帯の有料サービスがないかも確認してください。
小坂 未来に向けてはまとまったお金が要りますよね。
風呂内 結婚や住宅購入、子どもの入学など、ライフイベントごとに大きなお金がかかります。準備できないと思いがちですが、長い期間で少しずつならすという発想が大事です。お金を貯めやすい「貯め期」があります。独身の時、子どもがいない共働きの時、そして、子どもが学校を卒業してから自分が退職するまでです。
和田 私はだいぶ先ですね。
風呂内 子どもが大学生や保育園児だとお金もかかります。ただ、小中学生になると働きに出やすいですし、ミドル貯め期といえるかもしれません。
「使う」「守る」「増やす」
3つのお金で貯める
小坂 うまく貯めるコツはありますか。
風呂内 「使う」「守る」「増やす」という三つの目的でお金を色分けしましょう。使うお金は生活費の3〜6か月分で、普通預金に置きます。守るお金は、結婚資金や住宅ローンの頭金、教育費など少し先の5〜10年間は使わないのですが、減っては困るお金です。老後の資金など10年以上先に必要になるのが、増やすお金です。株式や投資信託などで運用します。使うお金と守るお金を先に確保してください。
和田 お金に意図を持たせる発想はありませんでした。
初心者にピッタリ
個人向け国債
小坂 守るお金というのはどうするのですか。
風呂内 定期預金もありますが、今は金利が低いです。そこで、代表的なのが個人向け国債です。国にお金を貸し、満期で返されるまで年に2回ずつ利息がもらえます。貸す相手は国ですし、元本割れしない商品設計なので安心です。
和田 名前は知っていますが、買ったことありません。
風呂内 毎月発行されていて、銀行や証券会社などで1万円から購入できます。インターネットで対応しているところもありますからお手軽です。買った時点の金利で固定される満期3年と5年と、金利が変動する満期10年の3種類の商品があります。いずれも1年たてば途中解約もできます※。
※直前2回分の各利子(税引前)相当額×0.79685が差し引かれます。
和田 変動というのは怖いような……。
風呂内 低い金利で固定されるより、有利なこともあります。変動といっても0.05%が最低金利と決まっているので、これ以上は下がりません。3種類を組み合わせて買うこともできます。派手な投資商品が目につきますが、個人向け国債は投資の初心者が始める商品として最適です。
和田 あまり大きいことを目指さずに、手元にあるお金を大事に育てる気持ちでやればできそうな感じがします。今日はものすごく勇気をもらいました。

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