夢のコラボ~豆乳と一緒に小さなトリップ

味噌・豆乳メーカーのマルサンアイ(本社・愛知県岡崎市)と、昭文社発行の女性向け人気旅行ガイドブック「ことりっぷ」編集部とのコラボ商品「ことりっぷ豆乳飲料 ゆずはちみつ」と「同 黒蜜きなこ」が、3月に発売されました。異なる業態の両社がどのようなかたちでめぐり合い、どう新商品誕生に至ったのか。その開発の舞台裏をのぞかせてもらいました。

“出会い”は、2年前の2月だった。

昭文社広告営業の横手麻衣子さん

横手さん(昭文社広告営業)「ことりっぷ編集部では、これまでも食品メーカーと組んで、カップスープ、飴などを共同開発し販売した実績がありました。次の企画案を練っていたとき、営業担当の1人がマルサンアイさんのある商品に注目し、まずお声がけさせていただいたのです。2015年2月のことでした」

20~30代の働く女性をターゲットに、2泊3日の小さな旅がコンセプトの「ことりっぷ」。2008年のシリーズ刊行以来、タイトル数は国内外で100を超え、トータルで1500万部以上発行している人気旅行ガイドブックだ。季刊のマガジンとしても刊行されており、ウェブ展開もしている。

小嶋さん(マルサンアイ)「弊社では、国産プレミアム大豆と上質なフレーバー素材を使用した「ひとつ上の豆乳」シリーズの販売に力を入れています。他社と差別化された「大人のこだわり豆乳」というコンセプトです。それが昭文社さんの営業担当の方の目に止まり、コラボの話が持ち上がりました」

 

マルサンアイ開発統括部・商品戦略室商品企画課の小嶋真吾さん

 

昭文社ことりっぷ編集部の中山優子さん

中山さん(昭文社ことりっぷ編集部)「そもそもことりっぷが出す豆乳って、どういう豆乳だろう? というところから、話し合いを始めました。ゆったりとしたときに飲むのか、旅に出るときに一緒に持っていくのか、ことりっぷらしさを出すには、どのようなシチュエーションが合うのかを考えました。そして最終的には、旅の計画を立てている場面で飲む豆乳というイメージでまとまりました」

何度ものNGで背中を押される。

「甘さは控えめに、やさしく、ほんのり、さりげなく」というコンセプトがまとまり、試作品作りがスタートする。最終的に「ゆずはちみつ」と「黒蜜きなこ」の二つに絞り込んだ。担当の小嶋さんは、本社のある愛知県岡崎市から足繁く、ことりっぷ編集部に通い、試飲してもらう。この時期、「プロジェクトが最も難関を極めた」と小嶋さんは振り返る。

小嶋さん(マルサンアイ)「なかなか味にOKがもらえませんでした。こちらとしては、リクエスト通り、かなり甘さを抑えたつもりでも、NGでした。これ以上、甘さを抑えると、味がぼんやりとして、バランスが崩れるのではないか、という先入観があったのです」

マルサンアイ開発統括部・商品戦略室の深津博美さん

深津さん(マルサンアイ)「弊社で扱う『マルサン坊や』マークの付いた豆乳飲料は、麦芽や抹茶といったように、比較的甘いものが中心です。ですから、どうしても甘さが前面に出てきたようです。ただ、今回の商品は、従来のユーザーさんと違う、20~30代の働く女性層をターゲットにしているので、従来の考えでは対応できない。ことりっぷの編集部の皆さんに、新しい考え方を提示していただき、背中を押していただいた感じです」

それぞれのアプローチで同じゴールに向かう。

 二つの味にOKサインが出たのが、2016年9月。パッケージのデザインには、ことりっぷと同じように和柄を採用。味のイメージに合う旅先をそれぞれ3か所ピックアップし、その旅先での過ごし方を提案するキャッチコピーも付けることにし、ことりっぷ編集部で考えた。

昭文社ことりっぷ編集部の菊本歩さん

菊本さん(昭文社ことりっぷ編集部)「豆乳はスーパーやコンビニの飲料棚、ことりっぷは書店の棚といったように、それぞれ売り場が異なるので、パッケージの見せ方も違ってきます。ことりっぷの和柄をそのまま飲料棚に置いても売り場では埋もれてしまいます。そこをどう手にとってもらえるようなパッケージにするかというところから、話し合いました」

マルサンアイ初の他業種とのコラボ飲料「ことりっぷ豆乳飲料 ゆずはちみつ」と「同 黒蜜きなこ」が完成したのは、2017年の年が明けてからだった。

中山さん(昭文社ことりっぷ編集部)「最初に飲んだときの感想は、『バランスのとれた、完璧な味だな』でした。味のバランスについては、試飲の段階で、注文させていただきました。ゆずやきなこの風味だけが出すぎてはだめ。豆乳飲料なので、豆乳本来の味、甘さが感じられるものをとお願いし、最終的に希望通りに味が再現されています」

小嶋さん(マルサンアイ)「何度もNGを出されるなど、これまでの商品開発以上に苦労もしました。ことりっぷ編集部のみなさんも、アプローチの仕方は違えど『お客様、読者の方々に喜んでもらえる商品を作りたい』という思いは同じでした。そして、最後に同じゴール地点にたどり着けました。きっと『ことりーな』(ことりっぷの愛読者)さんに、気に入ってもらえると思います」

街角に、ことりっぷの豆乳飲料を持つ女性がいたら、「ことりーな」さんかもしれない。

ことりっぷ豆乳を開発した(左から)昭文社ことりっぷ編集部の中山さん、菊本さん、マルサンアイの小嶋さん、深津さん、昭文社広告営業の横手さん

 

商品紹介

■ことりっぷ豆乳飲料 黒糖きなこ

きなこの香ばしい味わいとほのかな黒糖の甘さが気持ちをリラックスさせてくれる豆乳飲料です。

1本、200ml、90円(税抜、参考小売価格)

 

■ことりっぷ豆乳飲料 ゆずはちみつ

さわやかなゆずの風味と、やさしく香るはちみつがゆっくり心をうるおす豆乳飲料です。

1本、200ml、90円(税抜、参考小売価格)