【国際女性デー】奥山恵美子さん 今日の1歩は小さくとも確かな足跡が続くと信じて

OTEKOMACHI(大手小町)では3月8日の国際女性デーに合わせ、女性の活躍やダイバーシティー&インクルージョンの推進に大切なことは何か、メッセージを寄せてもらいました。

東日本大震災のボランティアなどをきっかけに、自分の働き方を真剣に考える若い方々が多く出てきました。東京の大企業から仙台の中小企業に移った人、NPO法人に転職した人、アフリカでの支援活動の最前線から宮城・石巻に来て、コツコツと起業を試みた人もいます。統計的な調査ではなかなか表れない、価値観の変化がありました。

奥山恵美子

震災当時、仙台市長として対応にあたりました。とにかく人手が足りず、入庁したての新人職員を、避難所の責任者に充てるような状況でした。混乱した状況の中では、避難所の運営も一筋縄ではいかない。マニュアルが通用しないのです。そのようなミッションを経験した若手職員は、目の前の現実に対処するには柔軟性が大切だと、肌身で知ったと思います。

それまでの災害時におけるリーダーシップはいわば「俺についてこい」型でしたが、震災は複合災害なので、一本道ではない。多様なニーズに柔軟に対応する知恵が欠かせません。今回のコロナ禍でも、同じようなことが言えるでしょう。リーダーシップ像も変化しているのです。

震災から10年、東北には多くの可能性があると言われます。それを実現するのは、一人ひとりが自分を生かしていくという気持ちです。それが10人、20人と集まると、東北の可能性が出てくるのです。自分の生きたい人生を歩み、足跡を付ければ道ができます。若い方々には、自分の足跡を信じて生きていってほしい。

若い女性のみなさんは、地方での暮らし、大都会の暮らし、いろいろなイメージをお持ちでしょう。「都会に出て、ここにはない暮らしをしてみたい」という気持ちも分かります。あこがれたら、飛び込んで、比べてみればいい。そして選べばいいのです。

女性にとって、いろいろと課題はありますが、戦後70年以上、先輩の女性たちの力によって、自由度や可能性は大きく広がってきました。それを踏み台にして、飛躍してほしい。少し気になるのは、女性が新たに獲得した権利を知らず、不利な状況を改善できない例も少なくないこと。先輩の女性たちが勝ち取ってきた権利を知り、人生を闘うことも考えましょう。大いに期待しています。

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奥山 恵美子(おくやま・えみこ)
七十七銀行社外取締役

東北大経済学部卒。1975年に仙台市入庁、女性企画課長、市民局次長、副市長などを歴任し、2009年、全国初の女性政令市長として仙台市長に初当選し、連続2期を務める。市長を退任後の2018年6月から現職。

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