【国際女性デー】キャシー松井さん 考え方の多様性

OTEKOMACHI(大手小町)では3月8日の国際女性デーに合わせ、女性の活躍やダイバーシティー&インクルージョンの推進に大切なことは何か、メッセージを寄せてもらいました。

世界では今、企業間での人材獲得戦争が起きています。そこで企業が取り組むべきことは、「多様性は成長のドライブであり不可欠だ」という考えを組織に浸透させることです。

キャシー松井さん

なぜ多様性が重要なのか。

多様性のある企業は、業績が好調で株価も高いことが証明されています。日本ではジェンダーに注目が集まりがちですが、多様性とは、国籍、宗教、年齢、障がいの有無、性自認などもっと幅広いものです。

「考え方の多様性」を大切にし、多様な人材のポテンシャルを最大化することが、企業の競争力につながるのです。労働人口が激減するなかでは、一人一人の力が今以上に大事になります。「考え方の多様性」をいかせる日本、それがあるべき姿だと思います。

女性の活躍という点では、日本も前進しています。この7~8年の間に日本の女性の就業率は約70%に達し、アメリカを追い越しました。雇用の機会が増えたわけです。さらに企業の透明性も高まりました。女性活躍推進法によって女性の管理職比率などについて情報を公表することが義務づけられ、経営者に説明責任が生じ「見える化」が起きたといえます。日本は育児休業制度も世界トップレベルです。アメリカにはありませんから、制度が充実しているのは大きいですね。

けれど、まだ女性のリーダー層は足りません。日本の女性労働者が増えたといっても、非正規雇用が半分です。パートタイマーからリーダーは難しいでしょう。まずはフルタイムの女性がリーダーになるために、平等な機会を与えてほしい。ハイポテンシャルな人材を早期に見つけ、その人のキャリアを構築していく。例えば、昇進をバックアップする「スポンサー制度」を取り入れるなどあらゆる仕組みが必要です。女性は男性に比べ出産などのライフイベントが多く、長く働いてもらうためのモチベーションをいかに作っていくかが、企業に求められています。

女性の側にも課題はあります。日本だけでなく、世界中でいえることですが、女性はセルフプロモーション(自己宣伝)が上手じゃないですね。大半の組織では、評価方法が数値化されていても主観が入るものです。ですから上司に自分の存在や実績を知られていることは大切です。男性は、自分ができたことの宣伝が上手です。女性も自分ができたことを上司にきちんと伝わるようにすることが大事ですし、会議でも発言してプレゼンスを示しましょう。

また、女性は一生懸命働けば「魔法の手」が自分を引き上げてくれると思いがちですが、そんなことは起きません。男性と同じように、行きたい部署への異動希望やチャレンジしたい仕事など自分の意思を伝えることが重要です。

※2020年12月にオンラインでインタビューしました。

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キャシー 松井(きゃしー・まつい)
前ゴールドマン・サックス証券副会長

1994年、同社に入社、99年に「ウーマノミクス」を発表し、日本政府が打ち出した「女性活躍」の裏付けとなる。アジア女子大学支援基金財団の理事会メンバー、日本がん学会の乳癌基金のアドバイザリーメンバーなどを務める。近著に、「ゴールドマン・サックス流女性社員の育て方、教えます」(中公新書ラクレ)。

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