「脳外科医の顔」、「デザイナーの顔」、そして「だらだら生きる顔」――この全部が私なんです。脳外科医もファッションデザイナーも、私は好きでやっているし、やりたくてやっています。
脳外科医として仕事をしてきた私が、一念発起してデザイナーへの道を歩み始めたとき、「10年で社会に知られるようになりたい」という目標を持っていました。2013年にブランドを立ち上げ、18年にはショップを出し、昨年には初めて海外でファッションショーを行うことができました。今後はニューヨークコレクションに参加する予定があります。
何も分からず、試行錯誤して、さまざまな人たちに迷惑をかけて生きてきたと思います。それでもこのように思うのです。「100%全力を出し切って、自分のやりたいことに向き合うこと。そして、自分の責任を全うしながら社会の輪の中に生きる――これができていれば、いつかは認めてくれる」と。
私は第一人者ではないかもしれないけれど、いろんな生き方があるんだと多くの人たちに知らせて、私の生き方が、その人たちが第一歩を踏み進むきっかけになればいいのかなと思っています。
実際に脳外科医として勤務している時、デザイナーとしての側面を知っている患者さんたちから「先生もいろんな生き方を体現している」と言ってくれています。本当にありがたい言葉です。
個性を出して、それを活用していく。これこそ、ダイバーシティー&インクルージョンですね。
【国際女性デーにあわせたメッセージはこちら】
西村宏堂さん こうちゃん、おんなのこよ!
サンドラ・ヘフェリンさん 期待をしない
上野千鶴子さん 女は変わった、次はキミたちが変わる番だ