私は女性として生を受けたわけではありません。でも、40歳を前に、残りの人生は女性として生きていこうと決め、性の移行を開始しました。どうやっても「本物の女性」にはなれないかもしれませんが、そんな私でもこうなって気づき実感したことがあります。
21世紀も20年が過ぎようとしている現代でも、女性は男性よりも社会的、経済的、この世の多くの文脈において機会が恵まれない、ということです。
「女性だから不規則な勤務はできない」「女性だから責任あるポストにはつかせられない」「女性だから仕事は続けられない」「女性だから学歴はそんなに必要ない」……男性時代には思いが及ばなかった「機会の不平等」に気づくことができたのです。残念ながら、今も「女性だから〇〇ない」はあちこちに存在します。
この思い込み、慣習に縛られた思考法や旧来の価値観により、本来もっと社会で活躍できるはずの女性たちの機会が最大化されていないと思います。
それでも、私は信じています。少しずつ、世の中はいい方向に向けて変わっていると。現状の男性中心の社会システムや思考法が女性もしっかりと包摂したものにバージョンアップ、アップデートされていくはずだと。とりわけキャリア形成において、「女性だから〇〇ない」はなくなるはずだと。それは、男性たちも自らをがんじがらめに縛る規範から解放され、あらゆる人たちが本当に輝けることにつながるのだと。
「国際女性デー」にあたり、ひとりの「女性」として、人として、願いとともに伝えたいのです。
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