京都・仁和寺の国宝「阿弥陀如来坐像」など、数々の至宝が並ぶ特別展「仁和寺と御室派のみほとけ-天平と真言密教の名宝-」が東京・上野の東京国立博物館で開催中です。展示も圧巻ですが、注目はグッズの充実ぶり。千手観音の手をリアルに再現したアームクッションや、昔のおみくじを再現した御朱印セットなど、驚きのオリジナルグッズが並びます。お寺愛が詰まった品々を紹介します。
働く人の手を癒やす「千手アームクッション」
この特別展は、全国約790寺ある真言宗御室派とその総本山である仁和寺の秘仏や宝物を一堂に集めたもの。江戸時代以来、初めて東京にお出ましになる大阪・葛井寺の国宝「千手観音菩薩坐像」や、空海の真筆を含む国宝「三十帖冊子」を展示したほか、33体の仏像で非公開の「観音堂」を再現するなど、見どころが満載。音声ガイドを映画「空海」(2月24日公開)に出演する染谷将太さん、阿部寛さんが担当するのも話題です。
会場に設けられたグッズ売り場で、ひときわ目を引くのが「千手アームクッション」(1069円)。葛井寺の千手観音菩薩坐像の手を模してあり、パソコンのキーボードの前に置いて疲れた手を休めるクッションです。見かけはギョッとしますが、触るともちっ、ふわっとしていて、癒やされます。

企画したのは、通販会社「フェリシモ」(神戸)の「おてらぶ」。仏像に魅了され、「お寺ラブ」の人たちで作る部活動です。葛井寺の千手観音には、実際に大きな手が40本、脇手と呼ばれる小さな手が1001本あり、あまねく人を救うとされています。それを聞いたおてらぶの内村彰さんが、「働く人の手を手で癒やしたい」と、同寺の森快隆住職に提案したところ、快諾してもらったそう。経年の色の変化をもリアルに再現するまで、何度も試作を繰り返した力作で、千手観音が手に持つ道具の解説までついているという、こだわりがつまった品です。

ホトケ女子の扇子に100年前のおみくじ入り御朱印
「おてらぶ」と一緒に「千手せんす」(3240円)を作った安達えみさん(34)は、仏像好きが高じて東京から奈良に移住したホトケ女子。「仏が彫ってあると、木や石でも手を合わせたくなる。作る人、祈る人、信仰を守ってきた人と、大勢の人の思いが詰まっているんだなと思うと、仏像の見方が変わります」と話します。26日夕には「写仏を楽しむ」と題して、東京・大手町で写仏講座も担当する予定です。
会場には、限定の御朱印も並びます。京都・遍照寺の御朱印セットは、ご本尊の写真と、お堂に眠っていた100年ほど前のおみくじを復刻した「古典おみくじ」がついています。
同寺の生石唯我さん(31)は「昔のおみくじなので、割とハードなことも書いてあります。凶もあります」。よく選んでから買った方がよさそう。
おかざき真里さんの限定グッズにお坊さんカフェも
そのほか、空海と最澄を主人公にした人気漫画家おかざき真里さんの「阿・吽」とコラボした限定のトートバッグやクリアファイルもあり、ファンにはたまらない品になりそう。

会期中の1月20日、26日、2月23日は、東京・大手町で、若手僧侶とコーヒーを飲みながら話ができる「お坊さんカフェ」も開催される予定です。詳細は「よみうり大手町スクール」。
会期:1月16日~3月11日
会場:東京国立博物館平成館