大地震が起きる前に!今すぐできる3つの備え「100均」活用法

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100円ショップで購入した防災用品
100円ショップで購入した防災用品(防災ニッポン提供)

東日本大震災から10年がたちました。2月には福島・宮城沖で地震があり、最大震度6強を観測しました。災害への備えはできていますか。読売新聞のくらし×防災メディア「防災ニッポン」の笠間亜紀子編集長が、今すぐできる備えについて紹介します。

「まあ大丈夫だろう」は通用しない

2月13日深夜に起きたM7.3の地震で、備えの必要性を改めて感じた方も多かったことと思います。M7程度の地震は毎年のように日本で発生しています。今後30年以内に首都直下地震が発生する確率は7割、南海トラフ巨大地震だと発生確率が7~8割に及びます。地震の予知は難しく、2016年の熊本地震は確率が1%程度でも起きました。日本で暮らす限り、どこに住んでいても大地震に見舞われるリスクがあるのです。

大規模災害のときは「自分は大丈夫だろう」という考えは通用しませんし、行政の救助や支援を意味する「公助」にも限界があります。地震発生時に家具が倒れてくるのを公助では止めようがありませんよね。ですから自分や家族のことを自分で守る「自助」が重要なのです。

<1>自宅の地震対策5項目

自宅に必要な地震対策は、以下の5つです。
(1) 地震発生時に家具が転倒して命を失うことがないよう家具の固定などを行う。
(2) 3日分の水・食料・生活用品などを人数分、備蓄する。トイレ対策も考えておく。
(3) 自宅から避難する場合に備え、非常持ち出し袋を人数分用意しておく。
(4) 安否がわかるよう家族間で連絡方法を決めておく。
(5) 地域のハザードマップ・避難ルートを調べておく。

これらについては繰り返し推奨されています。ところが、内閣府の意識調査を始め、各種調査を見る限り、「十分取り組んでいる」人は少数派で、「ほとんど取り組んでいない」人や「特に取り組んでいない」人が多いのです。そこで、くらし×防災メディア「防災ニッポン」では、暮らしのなかで取り組みやすい備えを幅広く紹介しています。

防災グッズを100均・コンビニで探してみた

たとえば、「ここまでそろった!100円ショップで防災グッズ買ってみた」という記事は、首相官邸の「災害の『備え』チェックリスト」を手に、100円ショップでどのぐらい調達できたかをリポートしています。

リストには非常用持ち出し袋に必要なものとして、「貴重品」以外に以下の23品目が記載されています。

水/食品/防災用ヘルメット・防災ずきん/衣類・下着/レインウェア/紐(ひも)なしのズック靴/懐中電灯/携帯ラジオ/予備電池・携帯充電器/マッチ・ろうそく/救急用品/使い捨てカイロ/ブランケット/軍手/洗面用具/歯ブラシ・歯磨き粉/タオル/ペン・ノート/マスク/手指消毒用アルコール/石けん・ハンドソープ/ウェットティッシュ/体温計

このうちの15品目を100円ショップ1店舗で購入することができました(=写真)。購入できなかったものもありましたが、ふだんの生活圏にある100均で防災グッズをある程度、そろえることができました。100均に限らず、防災グッズはコンビニや無印良品などでも取り扱いがあります。

<2>外出先での備え、「防災ポーチ」に必携アイテムを

自宅以外で被災するときのことも考えておく必要があります。コロナ禍で在宅ワークをしている人も多いと思いますが、フルタイムで仕事をしている場合、通勤時間を合わせると、案外長く自宅外で過ごしているものです。

そこで「0次の備え!外出時お薦め『防災ポーチ』と必携アイテム」という記事で、防災ポーチの持ち歩きを推奨しています。非常持ち出し袋を用意しておくことを「1次の備え」といい、外出時の対策は「0次の備え」にあたります。

必携としたのは以下の17品目です。

モバイルバッテリー/身分証明書/筆記用具・メモ帳/小銭(公衆電話用の10円玉など)/家族の写真/マスク/ばんそうこう/目薬/ウェットティッシュ/汗拭きシート/大判のハンカチ/飴、ゼリー飲料などの保存期間が長い食べ物/レジ袋/冷感タオル(夏用)や使い捨てカイロ(冬用)/携帯トイレ/防犯ブザーや笛/小型ライト

女性の場合、生理用品や髪形によってゴム・ピンなどが加わります。全部は持ち歩けないという場合、普段使っている化粧ポーチに、いくつかを厳選してプラスしてはどうでしょうか。いまどきはモバイルバッテリーが特に必携です。災害時は一時的に通信環境が悪くなることも考えられますが、安否確認ほか災害状況、避難情報などで役に立ちます。

防災ポーチの中身
筆者も化粧ポーチとは別にポーチを持ち歩いている。モバイルバッテリー、コードのほか、マスク、ばんそうこう、笛、薬など。メモやマスクはぬれないように小袋に入れている。油性マジックペンも防災用。

<3>首都直下地震の「3日程度待機」に備える

自分が帰宅困難者になったときのことも考えておく必要があります。東日本大震災のときは首都圏で約515万人が帰宅困難になりました。首都直下地震の被害想定では、帰宅困難者は最大約800万人とされ、国や東京都などが職場や最寄りの「一時滞在施設」などに3日間程度とどまるよう呼びかけています。

災害用伝言サービスとハザードマップを調べてみた

子どもが小学校や保育園に通っている場合、保護者が迎えに行けない場合の安否に関する連絡方法や、学校や園の対応などを確認しておきましょう。家族で連絡方法や集合場所を事前に決めておくことも大切です。大勢が一斉に徒歩で避難した場合、事前に取り決めていたとしても家族を探すのは大変、難しいだろうと思います。

何も決めていなかった!という場合、「覚えておきたい『171』!災害用伝言サービスの使い方」と「やってみよう!スマホでハザードマップを確認する」という2 本の記事を参照ください。

災害時に通信各社が提供する「災害用伝言サービス」は4つあります。最も知られている「災害用伝言ダイヤル(171)」のほか、「災害用伝言板(web171)」、「災害用伝言板」、「災害用音声お届けサービス」があり、記事では体験リポートを掲載しています。

「ハザードマップ」もぜひ、自分のスマホで調べてみてください。記事では、国土交通省の「ハザードマップポータルサイト」にある「重ねるハザードマップ」で、災害別の被害想定や指定緊急避難場所の確認方法を紹介しています。調べてみたら、それを元に家族と話し合うことができるでしょうし、有事の不安軽減に役立つと思います。

ペットを飼っている、家族の介護をしている、乳幼児がいる、持病がある……など家庭によって事情はさまざまです。備えを自分や家族の笑顔を守るものと考えてはどうでしょうか。東日本大震災の死者・行方不明者は2万2000人を超えます。起きてからでは間に合わないことがたくさんあります。暮らしのなかで防災について見直すことをおすすめします。

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防災ニッポン

笠間 亜紀子(かさま・あきこ)
くらし×防災メディア「防災ニッポン」編集長

生活部、社会部、読売ウイークリー編集部などで記者・デスクとして過ごす。人事・労務部門などを経て2020年6月から現職。防災士。東日本大震災では取材支援担当として物資の調達を始め報道の後方支援実務全般を担った。