OTEKOMACHI(大手小町)では3月8日の国際女性デーに合わせ、女性の活躍やダイバーシティー&インクルージョンの推進に大切なことは何か、メッセージを寄せてもらいました。
先月、ドイツ大使館の職員数人が挙手のポーズで写真を撮りました。女性も男性も、会議で発言機会を求めるようなしぐさをしたのですが、本来、ごく当たり前とされるべき姿を、「#genderequality」(男女平等)と「#dontbesilent」(黙っていないで)というハッシュタグで投稿したところ、私たち自身も驚くほど日本中で大きな反響を呼びました。私たちの発言の意思が聞き届けられたのだと受けとめています。
こうした反応が示しているように、本来、当たり前のことが当たり前とされないことが、日本でもドイツでもあります。今でも多くの女性が「ガラスの天井」に突き当たり、見えない手でブレーキをかけられたかのように、キャリアがゆるやかに脇に逸れていくという経験をしています。
これは数字を見ても明らかです。2016年以降、ドイツの大手企業は、役員や管理職への女性登用の目標値を設定しなければならなくなりました。すると、こうした企業の4分の3は、取締役会レベルで目標値を全く設定しないか、「ゼロ」、すなわち女性の役員登用は予定されていないと申告したのです。
物事は、自然には変わっていかない場合もあります。そのような時は、立法による助け舟が必要です。ドイツ政府は今年1月、一定規模以上の企業では女性が少なくとも1名、取締役会に選任されるべきとする法案を閣議決定しました。日本でも安倍前総理大臣は、女性の役割強化を政府の重点目標の一つに掲げました。
ドイツ語には「幸せになってもらうには、むりやり仕向けなければならないこともある」という言い回しがあります。
「幸せ」?
そうです。いろいろな意味で「幸せ」が関わっているのです。男女平等が幅広く浸透している企業のほうが、働く人の満足度が高いという調査結果があります。また、「ジェンダー平等」が進んでいる社会のほうが、全体として人々の幸福度が高いのです。
企業にとっても、男女混成のチームのほうがより適切な決断をし、経済的にもより大きな成果を挙げるといった経営上のメリットがあります。
日独両国政府は、今も残る不平等の解消を目指し、取り組んでいます。しかしその取り組みも、女性たちがより積極的に関わり、「手を挙げ」なければ奏功しないでしょう。私たちが経験を共有し、互いに支え合っていけば、皆がその恩恵を受けるのです。言いたいことがある人は発言すべきです。そして、挙手は最初の一歩なのです。
#dontbesilent#genderequality#男女平等 pic.twitter.com/sVhC59XQAi
— ドイツ大使館🇩🇪 (@GermanyinJapan) February 5, 2021