石頭悦さん 人生に無駄なし! あきらめずに前進あるのみ!!

国際女性デー

OTEKOMACHI(大手小町)では3月8日の国際女性デーに合わせ、女性の活躍やダイバーシティー&インクルージョンの推進に大切なことは何か、メッセージを寄せてもらいました。

古い布を細く裂いて再び織り上げる伝統工芸「裂き織り」の工房「幸呼来Japan(さっこらじゃぱん)」を経営しています。作り手は障がいを持つ方々です。

裂き織りとの出会いは、リフォーム会社に勤めていた2009年のこと。盛岡市の支援学校を訪れた際、生徒さんらが織る裂き織りの美しさに心を奪われました。20年も盛岡に住んでいて知らずにいた伝統工芸品でした。聞けば、卒業後は機織りの技術を生かす場がないという。あまりにもったいない話です。社長にお願いし、卒業生を受け入れる裂き織りの事業部を発足させました。

忘れられないのは、東日本大震災が起きた翌日のこと。会社の様子を見に行ったのですが、社長と私以外は誰も出社しない中、障がい者の社員が「職場の様子が心配だから」と、一人で出社してきたのです。心を揺さぶられました。震災で事業部の継続は困難になりましたが、そんな人たちの働く場所がなくなるのは何としても避けたいと、独立を決断。6畳2間の工房で再スタートしました。

現在は広めの一軒家を借りて工房にしています。裂き織りを作るのは、支援学校の卒業生。彼らの仕事への集中力と、きめ細かな作業ぶりは、本当に素晴らしい。織りの美しさが評価され、アシックスのブランド「オニツカタイガー」に採用される成果も上げました。

障がい者への偏見を持つ人を、1年間で50人減らすことが自分の目標です。障がい者は親切にすべき人でも、援助すべき人でもありません。チームの一員なのです。工房をご覧になれば分かるでしょう。こういう共感が、SNSの「Like(いいね!)」のように増えていけばうれしいですね。

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石頭 悦 (いしがしら・えつ)
裂き織り工房「幸呼来Japan」代表

1965年生まれ、山形県酒田市出身。2001年、住宅リフォーム会社に入社。10年、同社に裂き織りの事業部を開設。11年、株式会社「幸呼来Japan」を設立し、代表取締役に。