虫歯になりやすいのは体質? 対処法を歯科医に聞いてみた

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歯ブラシを持つ女性
写真はイメージです

毎日歯磨きをしているのに、なぜか虫歯になってしまった――。そんな経験を持つ人は少なくないようです。読売新聞の掲示板サイト「発言小町」には、20代の学生が「高校時代から歯科検診のたびに虫歯が見つかっては治療しています。私は虫歯になりやすい体質なのでしょうか」と問いかける投稿が寄せられました。虫歯のできるメカニズムを知れば、虫歯ができやすい人も予防しやすくなるはず。今すぐできる対策を歯科医に聞いてみました。

虫歯が見つかっては削り、の繰り返しで不安

トピ主「あんこ」さんは、高校時代から定期的に歯科医院に通い、歯のメンテナンスを受けていますが、そのたびに虫歯が見つかり、治療を受けてきました。毎日の歯磨きを怠っていたわけでもなく、最近では2日に1回はフロスを使い、薬用液で口をすすぐようにもなりました。しかし、虫歯を防ぐ決め手になっているとは思えません。

そこで、「私は乳歯のときから虫歯があったし、唾液量も普通より少ない方だから虫歯になりやすいのかなぁと思うのですが、20代でこんなにも虫歯があると、これから先、不安になります。虫歯になりやすい体質の方がいましたら、どうやって予防しているのかお聞かせください」と発言小町で問いかけました。

この投稿に、さまざまなアドバイスが寄せられました。

フッ素塗布、歯間ブラシ・フロスなど

◇私は50代ですが、昔から虫歯は多いです。子供の時と20代前半くらいの時が最も虫歯になりやすかったですね。そのあとは、詰め物の隙間から虫歯になったり詰め物が取れたりで……。私の子供にはフッ素塗布が効果あったみたいです。口腔内に虫歯菌がどれくらいいるか(歯科医が)検査してくれたりもしました。(「みかん」さん)

◇私も小さい時から虫歯が多く、治療あとだらけです。でも、30歳過ぎから10年以上は、虫歯はできていません。私が今やっているのは、朝起きた時と食後の歯磨き、歯磨き前のフロス、キシリトールガム(もちろんキシリトール100%)をかむ、寝る前には歯間ブラシとワンタフトブラシを使っています。歯間ブラシとフロスは毎食後やった方がいいと思いますよ(「おじさん」さん)

◇虫歯が多く、3分の1は治療済みです。今は3か月ごとにクリーニングを兼ねた検診を受けています。体験して感じるのは、徹底的な歯間のメンテです。今では外でも昼食後に歯間ブラシをします。極端な話、歯ブラシをしなくても、歯間ブラシが出来ていれば大丈夫くらいの感じです。最近は、奥歯に特化したフロスもあります。電動歯ブラシを使うにしても、それだけでは磨き残しはでます。自分の歯並びに合うケアを教えてくれる歯科が良いでしょうね(「けちゃっぷ」さん)

「歯磨きしていたのに」虫歯経験は6割超

医療法人社団徳昌会 パラシオン歯科医院(埼玉県越谷市)が昨年8月、全国の20代から60代の男女1129人を対象に実施したインターネット調査では、「歯をしっかり磨いていても虫歯になったことがある」と答えた人が60.9%に上りました。「正しい歯の磨き方を教えてもらったことはありますか」の問いに「はい」と答えた人は70.1%でしたが、「教えてもらった通りに歯を磨けていますか」という質問には、「完ぺきにできている」はわずか5.4%。「できていない」が33.5%、「やり方を忘れてしまった」が6.6%で、4割の人は歯の磨き方に自信がないという結果になりました。

大人の歯磨き事情のグラフ同医院の小山安徳診療医長は「自分ではしっかり磨いているつもりでも、磨き残しがあるかもしれません。毎日歯を磨いているのに、なぜ虫歯になってしまうのか。まずは虫歯ができるメカニズムについて、知ることから始めてほしいですね」と話します。

虫歯はなぜできる? 食習慣・虫歯菌の数・唾液量

虫歯は、口内の虫歯菌の数や、虫歯菌のエサとなる糖分の摂取状況、唾液量、歯並びなど、様々な要因が重なり合って生じると考えられており、体質だけで説明できるとは限りません。間食などでダラダラと糖分を摂取する食習慣は虫歯リスクを高めます。「虫歯になりやすい体質があるかどうかと聞かれたら、あると言いますが、虫歯はそれだけでなるわけではありません。食習慣や歯磨きの仕方を改善することも大切」と小山さん。

投稿者について気になるのは、定期検診のたびに治療をしているという部分。「最近は、象牙質にまで至らないような初期の虫歯は、削らずに温存し、歯質を強くする高濃度フッ素の歯磨き剤や、歯間ブラシ、フロスを使うように指導して、経過観察を行うほうがいいと言われています」と話します。

さらに、「削ってしまった歯は元に戻りません。詰め物をしても、そこからまた虫歯が進んでしまうことがあります。昔は『虫歯=悪』と考えられていたのですが、正解は変わってきています。口腔内の環境を整えることで、虫歯の進行を抑えて、健康な状態を保つ。口腔内は自分で観察できる唯一の消化器官です。その健康を保つために、ご自分でできる『ホームケア』と、歯科医に定期的に通って実施してもらう『プロケア』の両方を心がけてほしいものです」と小山さんは強調します。

正しく歯を磨くなら「イエテボリ法」!?

「虫歯予防の先進国」と言われるスウェーデンのイエテボリ大学で提唱された歯磨き方法に、小山さんは注目しています。高濃度フッ素入りの歯磨き剤(ペーストやジェル)を歯ブラシにたっぷりつけて、口内を水でゆすぎません。こうすることで、口内に残ったフッ素の働きで、歯から一度溶け出したカルシウムイオンやリン酸イオンを再び歯に戻す「再石灰化」が起き、歯を強くすることが期待できるそうです。

歯磨き方法を変えることが効果的なことも

具体的な方法としては次の通り。

<1>歯ブラシに2センチの歯磨き剤をつける(子どもは1センチ)
<2>歯磨き剤を歯全体に行きわたるようにつける
<3>2分間ブラッシングする。歯磨きの途中で吐き出さない
<4>約10ミリ・リットルの水(ペットボトルキャップ1杯分)をふくむ
<5>30秒間ブクブクして、口の中に行きわたらせる
<6>吐き出して、そのままうがいはしない。口の中に歯磨き剤が残るが、気にしない
<7>吐き出した後、2時間は食事をしない

虫歯予防のノウハウは日々進化しているよう。自宅で気軽にできる方法を身につけ、予防に役立てたいものです。

(読売新聞メディア局 永原香代子)

【紹介したトピ】
虫歯になりやすい体質…?対処方法は?