テレワークはダメ?妊活カップルが知らない男性不妊と精子のホント

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2月23日は「夫婦で妊活の日」。不妊に悩む夫婦が「二人三脚(223)」で妊活に取り組んでほしいと、男性不妊治療の研究などを行っているNPO法人「男性不妊ドクターズ」が昨年制定しました。不妊の原因の約半数は男性側にあるとされています。にもかかわらず、子供を望んでいる20~40歳の男女の7割以上が、「膝上でのパソコン作業」や「長時間、同じ姿勢で座りっぱなし」が精子に良くないことを知らない――。そんな実態が、リクルートライフスタイル(東京)が行ったインターネット調査で明らかになりました。

「男性不妊の専門科は泌尿器科」知らない75%

調査は、スマートフォンでできる精子セルフチェックサービス「Seem(シーム)」を手がける同社が昨年12月に実施。子供を望んでいながら、まだおらず、妊活のための通院をしていない全国の20~40歳の男女に「精子に関する知識の実態」について聞き、2064人が回答しました。

「精子に関する知識」で知らないことを尋ねたところ、「男性不妊の専門科は泌尿器科である」が75%で最も多く、「男性の4人に1人は精子の状態が悪く、自然妊娠が難しい可能性がある」(70%)、「30代半ばを過ぎると、精子の質が悪くなる」(44%)、「精子の状態は、生活の見直しや生活習慣で改善する場合がある」(40%)、「数や動きは、日々の生活や環境で変化する」(38%)などが続いています。

こうした結果を受けて、調査を監修した順天堂大学医学部付属浦安病院泌尿器科教授の辻村晃さんは「精子の状態が悪いことに気付かないまま妊活に取り組むと、適切な治療を受けるタイミングが遅れたり、お金が多くかかったり、妊活期間が長期化したりする恐れがあります。男女ともに正しい知識を身に付け、子供を望む男性は、自身の状況を把握するためにも、早い段階で一度、精液検査を受けてみることをおすすめします」と話します。

また、精子に関して、本当は誤っているのに正しいと勘違いしていた知識を聞いたところ、
「精液が濃いと、精子の数が多い」が54%で最多。次いで「性欲が強いと、精子の数が多く活発」(38%)、「射精ができていると、精子に問題はない」(33%)、「過去にパートナーが妊娠したことがあると、今も精子に問題はない」(31%)といった結果になりました。

これについて、辻村さんは「精子の状態が悪い場合や、無精子症でも射精することは可能です。性欲の強さや精液の濃さは、精子の濃度や運動率に関係ありません。30代半ばを過ぎると、精子のDNA損傷率が高くなるなど、仮に1人目を授かることができていても、不妊リスクがないとは言い切れません」と解説します。

「同じ姿勢で座りっぱなし」にリスク

さらに、「精子に良くない生活習慣や状態」で知らなかったこととして、「一部の成分が含まれる育毛剤の使用」と回答した人が86%に上り、「サウナの利用」(83%)、「膝上でのパソコン作業」(80%)、「長時間の自転車走行」(77%)、「ボクサーパンツなどタイトな下着の着用」(74%)、「長時間、同じ姿勢で座りっぱなし」(71%)などの順となりました。

辻村さんは「テレワークが進み、長時間、同じ姿勢での座りっぱなしという人も増えているのではないでしょうか。長時間の座りっぱなしやタイトな下着の着用は、精子を作る陰嚢いんのうを圧迫するリスクがあり、精子運動率の低下につながります。また、育毛剤に含まれる一部の成分が、精子を作る機能を低下させるといわれているほか、サウナの利用や、膝上でのパソコン作業、肥満は、陰嚢の温度を上昇させるため、数値の悪化につながります。精子や精液の状態は、生活習慣によって悪化したり、改善したりするので、特に妊活を始める3~4か月前からは、良くないとされる生活習慣や状態を見直すとよいでしょう」とアドバイスします。

夫婦の5.5組に1組が不妊に悩み、不妊の原因の約半数は男性にあるとされています。にもかかわらず、知識不足などから「自分は大丈夫」と考え、妊活への参加が遅れる男性が多いそうです。辻村教授は「男女ともに正しい知識を身に付けることが大切です。早い段階で自分の体の状況を知り、将来設計につなげてください」と呼びかけています。

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