コロナ禍で中古市場に貴金属やブランド品の“お宝”が集まる理由

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お宝が集まる「KOMEHYO SHINJUKU」(東京・新宿区)

リサイクルショップが活況を呈しています。コロナ禍で在宅時間が増え、不用品の処分や片付けに励んだ人が、捨てるには忍びない高価なバッグや高級アクセサリーなどを持ち込むケースが増えているようです。在宅勤務の定着などに伴って事業所を縮小した企業からは、オフィス用品なども持ち込まれており、リサイクルショップには“お宝”が続々と集まっています。

リサイクルで得る新たな喜び

手頃な数千円のアクセサリーから、数十万円の値がつく高級ブランドのバッグなど約2万5000点以上が並ぶ東京JR新宿駅近くのリユースショップ「KOMEHYO SHINJUKU」では、買い取り希望者の来店が増えています。

「実家の整理をしていたら、母の遺品が出てきたので売りたい」
「親が元気なうちに、何年も使っていないアクセサリーやバッグを売って、おいしいものを食べたり、旅行をしたりしたい」

高価なバッグも人気です

外出自粛要請などで「おうち時間」が増え、タンスや押し入れの整理中に見つけたブランド品などを持ち込む人が目立つそうです。同店チーフで衣類・バッグ担当の海原梨紗さんは、「20~30年前のビンテージはいくらにもならないと思っている人もいますが、店としては買い取りに力を入れている分野です。想像以上の価格に喜んでもらえ、こちらもうれしくなります」と顔をほころばせます。

薄れる中古品への抵抗

同店では、コロナの感染対策で店内の密集を避けるため、あらかじめ来店時間を決める「買取予約」や、オンラインで見積もりを行う「ビデオ査定」の新サービスを開始。自宅にいながら買い取りに出せる「宅配買取」の要望も多く、新規利用件数がコロナ以前の2倍に増加した月もあるそうです。

広報グループの菊池真里江さんは活況の理由について、「フリマアプリの利用が普及し、中古品やリユースショップへの抵抗感が薄くなっているようです」と説明します。

強まる本物志向と一点豪華主義

大ぶりのネックレスは画面映えするそうです

買い取りだけでなく、販売にも変化がみられます。「テレワークの導入でオンライン会議が増え、リモート映えする大ぶりのアクセサリーを求める人が目立ちます」と話すのは、同店宝石・貴金属担当の鈴木祥央ただひささん。「コロナの影響でリゾートやパーティーなどへ出かけることができず、レジャーで使うはずのお金の使い道がありません。本物志向が高まり、一点豪華主義で高額な貴金属やブランド品を購入するケースが増えているようです」と分析します。

貴金属やブランド品は再販ができるため、鈴木さんは、「サステナブルな(持続性のある)価値が評価され、中古品を選ぶという消費行動につながっている」と話します。

在宅勤務でオフィス用品も飛ぶように

「黄緑色はお部屋が明るくなりますよ」と話す根本さん

活況なのは、高価な貴金属やブランド品の分野だけではありません。中古オフィス家具を取り扱う「オフィスバスターズ」(東京・中央区)では、2020年3~6月の取扱件数が、前年同期と比べて5~7倍に増えました。

急速に増えた在宅勤務で、機能性の高いオフィスチェアのニーズが高まっています。自宅でのデスクワークでは、ダイニングチェアやローテーブルを代用するケースが多く、「腰が痛い」「足がしびれる」などと、深刻な体調不良を訴える人もいます。

当初は、「在宅勤務は一時的」と様子見だった人も、「この状態がしばらく続きそうだ」と判断し、仕事に適した椅子の購入に踏み切るケースが目立ちます。同社店舗戦略部の根本慎太郎部長は、「新品なら15万~16万円のオフィスチェアが、3万円くらいで買えます」と中古品のメリットを強調。特別定額給付金をオフィスチェアの購入に充てた人もいるそうです。

女性向けオフィスチェアが人気

ワークチェアの購入者には、働く女性の姿も目立ちます。デスクワークに適さない椅子を長時間使うことで、むくみや冷えが悪化したという女性も少なくありません。大腿だいたい部の圧迫感が少ないワークチェアは、女性の悩み解消にもつながるといいます。

根本さんは、「女性には座面が小さく、明るい色のオフィスチェアの人気があります」と言い、インテリアとの相性などもアドバイスします。

「自宅でオフィスチェアを利用する人がずいぶん増えたと思います。コロナは『中古でも良い物が買える』と気づくきっかけになった」と、根本さんは消費行動に変化を感じています。

(読売新聞メディア局 渡辺友理)

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