緊急事態宣言も保育園は継続…でも解消されないワーママの不安

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政府は7日、新型コロナウイルスの感染が拡大している東京、埼玉、千葉、神奈川の1都3県に、2度目の緊急事態を宣言しました。飲食店の営業時間短縮、夜間の不要不急の外出自粛、出勤者数の7割削減などを求めています。働くママたちが気がかりな保育園や幼稚園については、原則として継続して開けることになりました。子供を預けて働く女性にとっては一安心ですが、地域や感染状況によって、個別に登園自粛や受け入れ規模の縮小を行う園もあります。登園の継続でクラスター(感染集団)のリスクもあり、保護者の不安は膨らむ一方のようです。

園の対応に気をもむ保護者

感染拡大が続いている東京では、葛飾区が5日に区内の二つの私立保育所で新型コロナのクラスターが発生したと発表し、職員と園児の計15人の感染が明らかになりました。

昨年4月に緊急事態宣言が発令された際には、規模を縮小する保育園などが多く、登園自粛を求めるケースがありました。幼い子供を育てながら働く女性たちは、再度の緊急事態宣言の発令で、保育園や幼稚園の対応に気をもんでいます。

都内の大手通信会社に勤務する加藤泉美さん(33)は、3歳の長男を地元の保育園に通わせています。感染者が急増した昨年末から、ママ友のグループLINEで保育園の感染対策や休園を心配するやりとりが活発になりました。

「〇〇ちゃんパパが濃厚接触者になったみたい」
「お歌の練習はやめてほしい」
「お弁当の時間はちゃんと対策しているのかしら」

緊急事態宣言の発令を想定して、保育園から「在宅勤務になる保護者は登園を控えてください」とのメールがありました。加藤さんは「今回の緊急事態宣言で完全テレワークに移行するかもしれません。そうしたら息子を休園させますが、ママ友から『勝ち抜け』みたいにねたまれそう」と心配します。

子供の世話をしながらテレワークにうんざり

4歳の長女を私立幼稚園に通わせている都内の会社員女性(32)は、幼稚園の対応がどのようになるのか分からないため不安になっています。「幼稚園は、家庭で子供を保育できる、できないにかかわらず利用できるため、専業主婦の子供が多く通っています。私立の場合、園が独自に登園自粛を求めることもあります。4月の緊急事態宣言のときは、在宅勤務で乗り切りましたが、子供の面倒を見ながら仕事をするのは大変でした。また、あんな苦労をするかと思うと気が重いです」とうんざりしています。

同じく4歳の保育園児を抱える都内の会社員女性(39)は、「仕事が立て込んだときは、シッターさんが頼りなのに、どうしよう」と嘆きます。定期的に娘の面倒を依頼しているシッターの女性から、「電車での移動が心配なので、緊急事態宣言が出ている期間は依頼をお断りしたい」との連絡があったそうです。この女性は、毎月数回の夜勤があるため、「これから、どうしたらいいのだろう」と途方に暮れています。

保育現場では対策や規模縮小を検討

子供たちを受け入れる保育園も対応に苦慮しています。都内の認可外保育園に勤務する20代の女性管理栄養士は、緊急事態宣言が発令される方針が決まった頃から、園で今後の対応について話し合いを続けていると言います。「休園はしない方針ですが、午後5時以降に子供を預かる延長保育の受け入れを中止するかどうか検討中です。夜に働いているママたちの要望はありますが、感染が拡大している状況で子供を長時間預かるのはためらわれます」と説明します。

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世田谷区幼児教育・保育推進担当課によると、同区では、緊急事態宣言の後も、保育園や幼稚園は平常通りの運営を継続するとしています。担当者は「園外の活動や行事は中止する可能性があります。園内の感染防止を改めて徹底させたい。ただ、子供のマスク着用が良いのか、悪いのか分かりません」と対策の難しさをにじませます。

子育て世代にもっときめ細やかな対応を

子育て支援に詳しい恵泉女学園大学学長の大日向雅美さんは、今回の緊急事態宣言の内容について、「子育て世代にもっときめ細かい対応をしてほしい」と指摘します。大日向さんは「学校や保育園を継続することで、子どもを自宅で見られる家庭と、不安でも子供を預けなくてはならない家庭という格差が出てきます。保育園でクラスターが発生すれば、子育て家庭間でわだかまりが生じかねません」と説明します。

感染の不安から子供を登園させない場合、職場からは「なぜ子供を預けて仕事をしないのか」などと言われる可能性もあります。「まさに子育て中の働く親は四面楚歌。国や行政にはもう少しきめ細やかに対応を考えてほしいです」と大日向さん。前回の緊急事態宣言の経験を生かし、「時差登園、曜日を分けた分散登園などの工夫をして、保育士や先生たちに過度な負担をかけず、安全な環境を作ってほしい」と提案します。

また、大日向さんは、仕事や育児で次々と変化を強いられる親に、「できる範囲でいいので、ポジティブな気持ちを心がけてほしい」とアドバイスします。「仕事も家事もパーフェクトを目指すのをやめましょう。大変な状況なのだから、人間らしさを失わず、何ごともゆっくりしたリズムで。疲れた時は食事も出来合いのものでいいし、部屋は散らかっていていい。できる範囲でやりましょう」と呼びかけています。

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