密を避けて冬キャンプでのんびり、たき火の揺らめく炎と美しい星空

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冬季にテントを張ったり、バンガローで過ごしたりしてキャンプをする「冬キャンプ」が注目されている。きれいな星空やたき火が楽しめるといった利点があり、新型コロナウイルス感染防止のため「密」を避けながらレジャーをしたい人が増えていることも人気を後押ししているようだ。

「密」避けてレジャー 

名古屋市の会社経営、五十嵐悠太さん(36)は、5年ほど前から冬に岐阜県や長野県などでキャンプをするようになった。1シーズンに計10泊ほどする。一人だったり、家族と一緒だったり様々だ。「冬はたき火が 醍醐だいご味。火おこしをしたり、ゆらゆら揺らめく炎を見ながらのんびりしたりするのがいい」と声を弾ませる。キャンプ場がすいていて静か、空気が澄んで星がきれい、といった点も魅力という。

宮城県内のキャンプ場で今冬、親戚とたき火を囲む五十嵐さん(右)(五十嵐さん提供)

一般社団法人「日本オートキャンプ協会」(東京)によると、2012年に720万人だったオートキャンプ人口は7年連続で前年を上回り、19年は860万人に増加した。秋冬のキャンプ需要が増加の要因の一つで、若年層から家族連れまで幅広い。

宿泊業「るうふ」(山梨県笛吹市)は笛吹市内にある社員の保養所を改装し、今年9月、冬でも気軽に楽しめるキャンプ場「るうふタイニーハウスキャンプ」を開業した。小屋型の宿泊施設やコテージのウッドデッキに薪ストーブを設置し、庭にはたき火ができるスペースを設けた。「冬こそ田舎は美しいと知ってほしい」と広報担当者。

一般社団法人「長野県観光機構」などは冬キャンプのPRに力を入れている。冬キャンプの体験記やたき火の楽しみ方などをサイトを通じて発信しており、冬の新たな観光としたい考えだ。

グッズ充実

火鉢型のカセットコンロ(手前左)などが並ぶアウトドア店(横浜市の「ロゴスショップ&カフェ 横浜ベイサイド店」で)

キャンプ用品も充実してきた。アウトドア用品大手「ロゴスコーポレーション」(大阪)は9月、デザイン性のあるカセットガスストーブを扱う「センゴクアラジン」と協業し、持ち運びができるガスストーブ(3万9800円税抜き)や火鉢型のカセットコンロ(1万9900円同)を発売した。これまで10~20点だった秋冬向けの新商品を、今シーズンは60~70点に増やしたという。

今年はコロナ禍で、人混みが避けられる行楽として注目されている。日本オートキャンプ協会事務局長の堺広明さんは「一人で楽しむソロキャンプや豪華なグランピングなどキャンプのスタイルが多様化するなか、動画投稿サイトなどで冬キャンプの魅力を発信する人も増えている。冬キャンプは今後さらに広がるのでは」と話す。

寒さ対策しっかり

冬キャンプは寒さ対策が重要だ。日本オートキャンプ協会のインストラクターで、キャンプ情報ブログ「ハイパーキャンプクリエイターズ」を運営する佐久間亮介さんは、「テントを張る場合、電気毛布などが使用できるよう、電源付きの区画を予約するのがお勧め」と話す。冬用の寝袋のほか、カイロ、湯たんぽ、防寒着など寒さをしのぐものを複数用意する。

火の取り扱いにも注意したい。「灯油や薪のストーブを持参する人も多いが、テント内で使うと一酸化炭素中毒や火災の危険があるので、必ず屋外で使ってほしい」と話す。

積雪がある地域では寒さが厳しいので、「冬が初めての場合は、まず積雪の心配がない場所で始めたほうがよいでしょう」とアドバイスする。(読売新聞生活部 山村翠)