密を避けられる朝活。コロナを逆手に何をする?

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出勤前など朝の時間を利用してストレッチの講座を受ける人たち(東京・新宿御苑で)

新型コロナウイルスの影響で、在宅勤務や時差出勤など新しい生活様式が取り入れられた2020年。仕事の前に趣味の時間を作ったり、人が少ない朝に活動したりする「朝活」が改めて注目されている。早朝で「密」を避けられることも人気のようだ。

「朝に動くと頭がすっきりして、仕事がはかどります」。東京都文京区の団体職員の女性(32)は4月から在宅勤務となり、朝活を始めた。

以前は午前6時に起床し、弁当を作るなど出勤の準備をしてから8時頃に自宅を出ていたが、それらの必要がなくなった。その時間をランニングや英会話の勉強に充てているといい、「朝は予定が入らず、確実に時間がとれる。気持ちにゆとりが生まれています」とほほえむ。

セイコーホールディングスが今春行った調査によると、「1日を有意義に過ごすために朝の時間を大切にする」と回答した人は46%で前年より3ポイント増加。朝活に取り組んでいる人は28%で前年より2ポイント増えた。

「脇をしっかり伸ばしてください」――。10月下旬、東京・新宿御苑で行われていたストレッチのプログラムには、出勤前の会社員ら7人が参加。トレーナーの指導を受けながら、ヨガマットの上で股関節や脇腹などを伸ばした。参加していた東京都練馬区のカフェ従業員男性(23)は「朝、体を動かすのは気持ちが良いです」と笑顔を見せた。

街づくりを手がける「コクーンラボ」(東京)などは今年8月、新宿御苑が開園する前の午前7~9時に楽しめるプログラムの提供を始めた。事前に専用アプリから英会話やヨガなどの講座を予約して参加する。「朝だと人が少なくて密にならないと好評です」と担当者。

ビデオ会議システムを利用したピラティスの生中継レッスン(提供写真)

オンラインで朝に習い事をする人もいる。全国でヨガやピラティスのスタジオを運営する「ゼンプレイス」(東京)は9月、ビデオ会議システムを使い、午前6時から生配信する「早朝レッスン」を始めた。

月に1~2回、早朝レッスンを利用するという横浜市に住む大学准教授の女性(53)は「在宅勤務の日でも、生活にメリハリがつきます」と話す。

観光地でも、早朝に動くことで「密」を避ける動きが出ている。京都市の京都ブライトンホテルは11月、紅葉で人気のある安楽寺や宝厳院などを、一般開門の前に貸し切りで見学できるツアーを行った。「人混みが避けられる」と好評だったという。担当者は「京都は桜も見所の一つ。来春は感染症対策を講じたうえで、朝のツアーを行えたら」と話す。

朝活の広がりについて、日本時間学会会長で千葉大教授の一川誠さんは「在宅勤務で通勤にかける時間が必要なくなった分だけ、朝の時間を有効に使え、自分のペースで生活できるようになった」と分析する。

ただ、睡眠時間を削ってまでの朝活はしない方がよいといい、「朝が弱い人は無理をしないことが重要。コロナにより働き方が多様化していくことで、平日でも自由な時間が作りやすくなるのでは」と話している。

(読売新聞生活部 梶彩夏)

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