コロナ禍のお正月に「キャッシュレスのお年玉」…注意点は?

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2021年のお正月は、コロナ禍で帰省を控える家庭も多いようです。祖父母や親戚に会えない子供たちは、楽しみにしているお年玉をもらえなくなるかもしれません。会えたとしても、お金を直接やりとりするのは、コロナ禍では衛生上、避けたいと考える人もいます。そこで注目されているのが、スマートフォン決済やプリペイド型電子マネーなどを利用する「キャッシュレスのお年玉」です。マネースクールを運営する「日本ファイナンシャルアカデミー」(本社・東京)の講師・福田祥子さんに、お年玉のやりとりでキャッシュレス決済を利用するときに、注意すべき点などを聞きました。

過半数の親が「キャッシュレス」に肯定的

出典:ファイナンシャルアカデミー

ファイナンシャルアカデミーは11月、子供を持つ全国の男女300人を対象に、キャッシュレスのお年玉に関する意識調査を実施しました。「お年玉のキャッシュレス化についてどのように思いますか?」と尋ねたところ、「とても良いと思う」が10%、「まあ良いと思う」が41%で、過半数の人がキャッシュレスのお年玉に肯定的な考えを示しました。

キャッシュレスに賛成する人に理由を聞いたところ、 「支払いが便利」という意見のほか、「非接触なので感染リスクを軽減できる」「会えなくても送ることができる」といった意見が挙がりました。一方、反対する人は、「(子供は)お金のありがたみ、価値がわからない」「セキュリティーが不安」「スマートフォンを持っていない」といった理由を挙げています。

過半数の人がキャッシュレスのお年玉を肯定しているにもかかわらず、実際にキャッシュレスであげるという人はわずか9%で、前年調査比2ポイント増にとどまっています。

「お金をもらった」実感しにくいキャッシュレス

出典:ファイナンシャルアカデミー

福田さんは「キャッシュレスのお年玉をもっと普及させるには、送る側ともらう側の双方が、普段からキャッシュレス決済に慣れ親しみ、キャッシュレスでもお金を正しく扱える力を身につけることが一番」と話します。

キャッシュレスでお年玉を送るときに注意すべきなのは、「お金の基本的な概念をお子さんが身につけているかどうか」だと福田さんは指摘します。現金だと、子供は「お金をもらった」「使ったからなくなった」といったことを体感できますが、キャッシュレスはスマホなどに表示される「数字の変化」に過ぎず、お金をもらったことを実感しにくい子供がいるためです。「お年玉に限らず、キャッシュレス決済で正しくお金を扱えるようになるためには、そもそものお金の概念の理解がマストです」と福田さんは強調します。

また、送る側ともらう側が無理なく対応できるキャッシュレス決済の方法を選ぶことが重要です。キャッシュレス決済には、SuicaやPASMOのような前払いタイプや、PayPayやLINEPayのようなスマホ決済タイプなどがあり、年齢やスマホの有無などによって子供の扱える決済方法が異なります。それらを確認した上で、適切に扱える方法で送ることが大切です。

送り間違いに注意、受け取り確認も

ポチ袋にお金を入れて目の前で手渡しをするお年玉とは異なり、キャッシュレスでは離れた場所からお年玉を送金するケースが多いでしょう。特にスマホ決済の場合は、送り間違いに気をつけ、受け取り確認まで行うことが必要です。送金の際にはメッセージも添えて。「もらう側が『大切なお金をいただいた』と価値を感じにくい可能性があるので、一言メッセージを添えて送るなど、何か工夫をすると良いと思います」

キャッシュレス経験値を上げられる可能性も

国がキャッシュレス化を推進する中、福田さんは「キャッシュレスのお年玉には、子供が『キャッシュレス決済体験』ができるというメリットがあります。何事も経験しないとうまくならないので、今度の正月を機に、子供たちがキャッシュレスでも計画的にお金が使えるという経験ができるのは、とても良いことだと思います。送る側の大人もお年玉を機に、使ったことのない送金機能を使ってみるなどして、キャッシュレス経験値を上げられる可能性があります」と話しています。(読売新聞メディア局編集部・遠山留美)

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