仕事も恋も順調なときばかりではありません。落ち込んだり、行き詰まったりしたとき、あなたの心をふっと軽くしてくれる一言に出会ったことはありませんか。そんな、だれかの一言に助けられたエピソードを紹介します。
病気をしていた兄が自殺しました。
私が最初に発見しました。
葬儀を終えて迎えた週明け。
出勤すると、職場の上司も同僚も
「大丈夫だった?」と声をかけてきました。
心配されているのだとわかりつつ、
「大丈夫なわけがない!」と叫びたくなりました。
逃げるように自分の机へ向かうと、
普段仲良くしていた同僚が一言。
「おはよう、今日は曇っているね」
その瞬間、兄が亡くなってから初めて
肩の力が抜けました。
あのときは、「大丈夫?」って言わないでくれてありがとう。
(「なん」さん)
このほど出版された「他人の『何気ない一言』に助けられました。600万人が泣いた魔法の言葉」(中公文庫、税別600円)は、2010年春に読売新聞の掲示板サイト「発言小町」にあった投稿への書き込みを収録した本です。文庫化にあたり、発言小町の中で新たに募集もしました。何気ない一言だからこそ、身にしみる。本におさめられたエピソードを紹介していきます。
中央公論新社の特設ページでは現在、「仕事」の章がすべて試し読みできます。
【発言小町のトピ】
▽「他人の何気ない一言」に救われたこと、ありますか?