2021年春夏パリコレ 日本人デザイナーのあふれる思い

News & Column

コム・デ・ギャルソン

新型コロナウイルスの影響が続く中で開催された2021年春夏パリコレクションには、日本から5ブランドが参加、4ブランドが参加を見送り、国内で独自ショーを開くなどした。発表方法は分かれたが、各ブランドの服からは、逆境に屈することなく、前向きに創作を続けるデザイナーらの強い意志を感じた。

ヨウジヤマモトはパリでショー

ヨウジヤマモト

「パリでコレクションを行うことは約40年続けている自分の仕事であり、存在理由」

ヨウジヤマモトのデザイナー、山本耀司さんはそう語り、日本勢で唯一、パリでランウェーショーを開いた。花びらや木々の葉を思わせるモチーフを取り入れた躍動感あふれる黒のドレスなどを披露。自然の恵みや美しさ、その生命力から着想し、力強い女性像を表現したという。ショーの最後に山本さんが登場すると、現地の観客から大きな拍手が湧き起こった。

イッセイミヤケ
ビューティフルピープル

動画発表では、イッセイミヤケが、ファスナーでパーツをつなぎ合わせるジャケットや小さく畳んで持ち運べるコートなど、機能的な服を提案。ビューティフルピープルは、コロナ禍の自粛生活を機にソファやベッドなどのインテリアから着想し、軽量のビーズでボリュームを出したドレスなどを作った。

マメ・クロゴウチ
アンリアレイジ

窓にかかるカーテンに想を得たマメ・クロゴウチのドレスも、自粛生活が反映されたもの。アンリアレイジは「ホーム」の意味を再考し、支柱を入れると、テントのようになるカラフルなロングドレスを見せた。

今こそ前へ、4ブランドは国内でショーや展示会

パリ不参加組は服の持つ空気感を伝えようと、国内でジャーナリストらを集めてランウェーショーや展示会を開いた。

サカイ

サカイは、神奈川県小田原市の文化施設「江之浦測候所」で屋外ショー。雨が降りしきる中、ミリタリージャケットを再構築した装いや、透ける素材とスーツの生地を組み合わせたドレスなどで、女性の優しさと強さを表現した。

コム・デ・ギャルソン

コム・デ・ギャルソンは、東京都内の本社でショーを開催した。テーマは「不協和音」。真っ赤な照明のもと、古典的で構築的な造形のドレスに、ミッキーマウスやクマのキャラクターのベアブリックなどをプリントした。「相反する要素がぶつかり合うことで、気分が良くない人もいると思うが、違うものが見えて面白い。予想外の何かを生み、ポジティブなエネルギーをもたらす。不協和音のその次に、いいことがあるはずだ」と、デザイナーの川久保玲さん。

ジュンヤ・ワタナベ

ジュンヤ・ワタナベは、展示会形式での発表。スパンコールがびっしり施されたドレスなど、デザイナーの記憶の中にあるスターのコスチュームを再現したという。

ノワール・ケイ・ニノミヤ

ノワール・ケイ・ニノミヤはショーで、ピンクのチュールのリボンやビーズを飾った立体的なドレスを提案。野の花を無造作に束ねたようなヘッドピースとともに強い印象を残した。デザイナーの二宮啓さんは、「コロナ禍にあっても自分たちのやってきたもの作りを続け、明るい気持ちを服に込めたいと考えた。手元にあるありふれた素材を使って、気分が上向き、ポジティブになれる服を目指した」と語った。

(読売新聞生活部 谷本陽子、梶彩夏)※ 写真はすべてブランド提供

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