オトナの女性に人気…夜限定の「R18プラネタリウム」とは?

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上映前には、プラネタリウム全体が、ピンクに染まっていました

夜にだけ上映される、オトナしか見られないプラネタリウムがある――。そんな話題を呼んでいるのが、「R18オトナ♡プラネタリウム―古代ギリシャの恋愛博物館―」です。コロナ禍にもかかわらず、上映会場には連日多くの女性が訪れているといいます。どんな作品なのか、取材しました。

古代ギリシャのリアルな恋愛事情に切り込む

乙女座や双子座、はくちょう座――。なじみ深い星座の多くは、ギリシャ神話に秘められた「性」や「愛」の物語が由来となっています。この作品では、そういった古代ギリシャのリアルな恋愛事情を切り口に、星座を紹介していきます。

企画・制作に当たった「コニカミノルタプラネタリウム」(本社・東京)によると、「18歳未満禁止の上映作品は、おそらく業界初」とのこと。現在、有楽町の「コニカミノルタプラネタリア TOKYO」、池袋の「コニカミノルタプラネタリウム“満天”in Sunshine City」、押上の「コニカミノルタプラネタリウム“天空”in東京スカイツリータウン」の都内3か所で上映されています。

「夜空はゼウスの浮気手帳」

池袋に足を運んでみました。週末の夜ということもあってか、館内はほぼ満席。若い世代がほとんどで、友達連れやカップルの男女の姿が目立ちます。

入り口には、暗闇には「R18」と書かれたネオンが浮かんでいました

オトナのプラネタリウム。夜空に浮かぶ星座に隠された淫靡いんびなストーリー……

声優・森川智之さんの低くてしっとりとしたナレーションとともに、上映が始まりました。

上映中のルールを説明する映像もユニークでした(以下、コニカミノルタプラネタリウム提供)

解説するのは、古代ギリシャ・ギリシャ神話研究家の藤村シシンさん。小さい頃から知っている星座の由来も、シシンさんの解説を聞くと、イメージががらりと変わります。

例えば、「おうし座」は、全知全能の神「ゼウス」を表した星座です。ある日、美しい少女に一目ぼれしたゼウスは、白い牛に変身して少女に近づいて、はるか遠くに連れ去ってしまいます。

妻がいるにもかかわらず、キレイな男女を見つけると、動物に変身して近づくのが常とう手段。ゼウスの浮気から生まれた星座はたくさんあり、「夜空の星座はゼウスの浮気手帳」とシシンさんは表現します。

作品では、シシンさんの包み隠さないトークを、タレントのYOUさんと、お笑いコンビ・バイきんぐの小峠英二さんが盛り上げます。まるで、深夜のラジオを聞きながら、星空を見上げているよう。3人の軽快な掛け合いに、会場には笑い声が響きわたっていました。

驚くような恋愛観が隠されたエピソードや、書くのがためらわれるほどリアルな話が盛りだくさん。しかし、古代ギリシャから残る絵画や彫刻の写真を交えながら、今とは全く違う「性」や「愛」に対する考え方を読み解いていくので、学びながら楽しむことができました。

R18作品が誕生したワケ

なぜ、この作品は誕生したのでしょう。

「子どもの頃に聞く星空のエピソードは、ロマンチックでキレイな話ばかり。でも、話を突き詰めてみると『オトナなストーリー』が隠されています。自分がそれを面白いと感じたように、興味を持つ人も多いのではないかと考えました」。コニカミノルタプラネタリウムの作品プロデューサー・嶋津奈穂さんは、そう明かします。

作品を企画した嶋津さん

狙ったのは、文化に関心のあるオトナの女性。「春画展」など、性を学術的に読み解くイベントが開かれヒットしていたことも、今回の企画のヒントになりました。嶋津さんによると、10月1日に上映がスタートし、26日時点で観客は計1万人を超えました。

上映は、来年3月までの予定です。嶋津さんは、「もう一つのテーマは、『見た後に、誰かとしゃべりたくなる作品』。コロナの感染対策にも力を入れているので、女同士で笑って、感想を話して、仕事の疲れを吹き飛ばしてほしい」と話しています。

(取材/読売新聞メディア局 安藤光里)

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