キッチンに高級感をもたらす「黒家電」が人気の理由

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「BLACK LABEL」の冷蔵庫や電子レンジなど(アイリスオーヤマ提供)

その名の通り、白色が主流だった冷蔵庫、炊飯器などの「白物家電」に、黒や焦げ茶など白以外のシックな色味の製品が続々と登場している。人気の理由は、高級感やスタイリッシュさが演出できる点。開放的な間取りが増え、家屋の奥まった位置にあることが多かったキッチンがリビングから見えるようになってきたことも背景にある。

黒い電子レンジやトースターを使う岡本さん

大阪市北区の飲食店経営、岡本一応さん(38)は、今年引っ越したのを機に、家電を買い替えた。冷蔵庫、電子レンジ、オーブントースター、ウォーターサーバーなどキッチンに並ぶのは黒やグレーの製品ばかりで、統一感がある。「白だと生活感が出てしまうし、汚れも目立つ。遊びに来た友人たちにも『格好いい』と好評です」と満足そうだ。

SNSではハッシュタグ「#黒家電」を付け、岡本さんのように濃い色の家電でそろえたキッチンの写真が多く投稿されている。カフェのようなオシャレな家もある。

黒や焦げ茶の冷蔵庫が並ぶ「ビックカメラ有楽町店」の売り場

ビックカメラ有楽町店(東京)の家電売り場でも、白以外の製品が目立つ。冷蔵庫は、売り場に展示された約100台のうち半数ほどが黒、焦げ茶など濃いめの色合いだ。電子レンジ、オーブントースター、炊飯器なども白以外の製品が増えている。

家電コーナー担当の新倉康子さんは「高機能で高価格帯の炊飯器が登場し、その多くが高級感を演出するため黒い製品だったことがきっかけの一つだった」と説明する。シックな色の家電はインテリアとして空間になじみやすく、数年前から20~30代の若年層を中心に支持されているという。

メーカーは、デザイン性の高い家電の開発に力を入れている。

アイリスオーヤマ(宮城)は今年1月、黒を基調にした家電シリーズ「BLACK LABEL(ブラックレーベル)」を発売した。冷蔵庫、洗濯機、炊飯器、コーヒーメーカーなど8種類ある。「地域のホームセンターで気軽に購入でき、落ち着きのある雰囲気が演出できます」と同社の広報担当者。シンプルなデザインで、参考価格3980~4万9800円(税抜き)と手頃な値段も魅力だ。

2019年2月に発売された象印マホービン(大阪)の「STAN.(スタン)」シリーズも、黒いマットな炊飯器やホットプレートなどが売れている。広報担当者は「黒はフライパンなど鋳物調理道具ともマッチする」と話す。

家電ライターの田中真紀子さんは「リビングからキッチンが見える間取りが増え、家電のインテリア性が重視されるようになった」と指摘。これまで「隠すもの」だった家電が、「見せるもの」に変化したという。家事をする男性も増え、田中さんは「男性にもウケる、シャープなデザインが求められるようになった」としている。(読売新聞東京本社 山村翠)

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