ウェブ会議、入退室のタイミングより工夫したいこと

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新型コロナ対策でリモートワークが導入されている職場では、ウェブ会議への参加を求められる機会が増えています。でも、リアルな会議とは違って、コミュニケーションの取りにくさを感じている人も多いようです。ウェブ会議を巡っては、SNS上で「ウェブ画面は、役職が上の人を左上から順に並べる」「目上の人が退出するまで、会議を退出してはダメ」といった“謎マナー”が取りざたされることも。ウェブ会議でのコミュニケーションを円滑にするには、どんなことに注意したらいいのでしょうか。

インターネットマーケティングなどを手掛ける「ビズヒッツ」(本社:三重県鈴鹿市)が9月、ウェブ会議の経験のある男女527人に聞いた調査では、全体の85%が「ウェブ会議で困っていることがある」と答えました。具体的に困っていることを複数回答で聞いたところ、「音声や映像の不具合」と答えた人が234人で最多。次いで「話すタイミングが難しい」(76人)、「反応がわかりづらい/伝わりにくい」(68人)などとコミュニケーションの取りにくさを挙げる人が多く、これに「背景や顔映りが気になる」(41人)、「ウェブ会議ツールを使いこなせない」(25人)が続きました。

表情や空気感が分かりにくい

ウェブ会議では、「表情の微妙な変化や会議の空気感が分かりにくい」「話の間合いをはかりにくい」「会話がかぶさると音声が聞こえなくなる」「相手の理解度や反応に合わせて話し方を変えるなどの補足や提案がしにくい」などと、リアルな対面会議とは違う難しさを指摘する声が目立ちます。

「機器トラブルを減らすために、ウェブ会議が始まる前に、パソコンを再起動したり使わないアプリを閉じたりしている人もいます。多くの人が感じているコミュニケーションの取りにくさについても知恵を出し合って、何とか解決していきたいものですね」と話すのは、この調査を監修した社会保険労務士事務所「office role」(東京)代表の郡司果林さん。郡司さんの事務所では、企業の勤怠管理と給与計算のクラウド化を支援するサービスを実施しており、コロナ禍で、顧客などとの打ち合わせにウェブ会議ツールを頻繁に使うようになったといいます。

大きい身ぶりで「マル」

「ウェブ会議に慣れれば、交通関係のトラブルに巻き込まれることもなく、移動の時間を節約できるなど、メリットはたくさんあります。コミュニケーションを円滑にするために、ウェブ会議の運営者側も工夫が求められているのかもしれません。例えば、会議参加者に『発言がかぶらないように“手を挙げる”機能をお使いください』と促したり、『同意する方は、大きい身ぶりで“マル”とリアクションしてください』と呼びかけたりしておくと、話す方も参加する方も意思の疎通がしやすくなります」と郡司さんはアドバイスします。

“謎マナー”なんて気にしない

SNS上では、「ウェブ画面は、役職が上の人を左上から順に並べる」「目上の人が退出するまで、会議を退出してはダメ」「会議の開始予定時間の5分前には入室する」といった“謎マナー”が取りざたされています。これについて郡司さんは、「私の周りでは、実際にこういったことを気にしていると聞いたことがありませんが……。従来のビジネスマナーをウェブ会議に取り入れる必要はないのでは。そんなことを気にするよりも、参加者が会議中にザワッとした不安感を持たずに気持ちよく過ごせるようにしていくのが、会議を運営する側の本当のマナーだと思います」と強調します。

運営側の宣言が有効になることも

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例えば、退出のタイミングについては、運営側が「ここから先は質問のある方だけ残ってください」とひとまず区切りをつけたり、「それでは、終会とさせていただきます」などと、終わりをはっきり“宣言”したりすれば、参加者も迷わなくて済みます。ミュート機能を使うかどうかなども、運営側があらかじめ声掛けすることでスムーズにいくことが多いそうです。

このほかにも、「何分前にルームに入室すればいいのか」「自分の顔をずっと見られるのはストレス。ウェブカメラは切っておきたいが、いけないのだろうか」といった不安を持っても、隣に同僚がいるわけではないので、気軽に相談できないケースもあります。

「ウェブ会議は新しいツールですから、結局、正解はないのだと思います。ウェブ会議が始まるときも、何分も前からルームで待つのが礼儀だと言う人は少ないでしょう。最初はうまくいかなくてもお互いさま。一歩一歩、必要、不要を見極めながら、お互い前向きに発展させていきたいですね」と郡司さんは話します。

円滑な会議のためには、運営者任せにせず、参加者の態度も大事。ウェブカメラを使うなら身ぶり手ぶりを大きくするなど、工夫できることはまだまだありそうです。

(読売新聞メディア局編集部 永原香代子)

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