仕事中につける?つけない? 結婚指輪に込める「思い」とは

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“夫婦になった証し”として大切にしたい結婚指輪。でも、仕事によっては職場で指輪をつけられないケースもあります。読売新聞の掲示板サイト「発言小町」には、医療関係の仕事をしている女性から「結婚指輪、つけていますか」という投稿が寄せられました。実は、既婚者の半数が、日常的には指輪をつけていないという調査もあります。「結婚後の結婚指輪」の持つ意味について考えてみました。

指輪をつけないでいると夫の機嫌が悪く……

トピ主「ん」さんは最近、結婚指輪を買ったばかり。医療関係の職場で働いていますが、大切な指輪を汚したり傷つけたりしたくないので、仕事中はつけません。紛失も怖いので、家の中から持ち出さないようにしています。

ところが、そんな「ん」さんを見て、夫が機嫌を損ねているといいます。先日も、うっかり家でも指輪をつけずにいたら、夫に「指輪つけないの?」と指摘されました。「私にも、ずっとつけていたい気持ちはあるのですが……。職場で結婚指輪をやむを得ずつけられない方は、どのタイミングでつけ外しをしていますか。なくさない、忘れない工夫を教えてください」と発言小町で呼びかけました。

この投稿に対して、すねたような態度を取る夫を批判する意見が多く寄せられています。「ご主人からしたら、結婚したのを隠している人のように感じて、面白くないのかもしれませんね」(「くものす」さん)という指摘もありました。

紛失の可能性を少なくする工夫は習慣づけ

縫製業に従事する「しらす」さんは「やはり指輪が邪魔になる仕事です。結婚3年目ぐらいで外しました。つけられないものは仕方ないので、旦那さん気にしすぎですよね」とコメントしています。

「着替えが必要な職場なら、必ず専用ロッカーが貸与されていますよね? (仕事着に)着替える時に指輪を外して、私服に戻る時につける。百円ショップなどで適当な小箱を買っておいて、必ずそこに入れるように習慣づけます。習慣にするコツは、とにかくロッカーの前に立ったら、一番先に結婚指輪の脱着をすることです。(私は)15年ほどですが、今のところはなくしたことはないです」と、すぐ役立つアドバイスを書き込んだのは「ちー」さん。

ネックレスにして楽しむ人も

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「私も医療職です」という「結婚20年過ぎてた」さんからは、「結婚してすぐにプラチナのチェーンネックレスを買って、そこに結婚指輪を通していつも首にかけています」という報告がありました。子どもが生まれてからは、子どもたちの誕生石をつけたベビーリングを作ってネックレスに一緒につけ、今はリングが3つ付いている状態。「オシャレ度はイマイチですが、万が一、私が不慮の事故にあっても、指輪の刻印が身元確認の手助けになるかなと思い、お守り代わりに肌身離さずつけていますよ」と言います。

「紫陽花(しよか)♪」さんも「エンジニアの息子は、仕事で結婚指輪が傷むので、別にチェーン(ネックレス)を買い、指輪をペンダントトップにしてつけていますよ」と報告してくれました。指にはつけられなくても、工夫をして指輪を肌身離さず大切にしている人は多いようです。

肌身離さず派は半数

婚約指輪・結婚指輪オンラインショップ「ブリリアンスプラス」を運営する「キュー」(本社・東京)が2018年10月、20代~50代の既婚男女を対象に結婚指輪の着用についてアンケートをしたところ、「肌身離さず着けている」と答えた人は48.0%で、「常には着けていない」は52.0%でした。アンケートでは、年代が上がるほど、着用率が低下する傾向がみられました。

とはいえ、これから結婚を控えた女性が、指輪に強いあこがれの気持ちを抱くのはごく普通のこと。プロポーズされた彼と、婚約指輪・結婚指輪を買うかどうかで意見が分かれているという投稿を寄せたのは、トピ主「まりー」さんです。「婚約指輪と結婚指輪を重ねつけして、海外みたいに毎日堂々とつけて過ごしたい」という願望がありますが、「アクセサリーしない派」の彼は、指輪は不要と考えているようです。

「このご時世、両家顔合わせ、結婚式、新婚旅行もままならず。正直、これで記念になるものでも残さないのなら、簡単に書類上の結婚となってしまい……」と、「まりー」さんは焦りを覚えています。

結婚指輪をめぐる女性たちの心情を、どう考えたらよいのでしょうか。働く女性の生き方を分析する調査を実施している「博報堂キャリジョ研」の瀧川千智(たきがわ・ちさと)さんに聞いてみました。

指輪は「形式」にすぎない

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「結婚指輪を肌身離さずつけていることで安心する人がいる一方で、アクセサリーは職場などではなるべくつけたくないという人もいます。トピ主さんの場合は、仕事に支障がでないように指輪を外しているだけのこと。それなのに夫が指輪一つで不機嫌になるなんて、『妻のことを心から応援しているのか』『妻の仕事について尊重しているのか』と聞きたくなってしまいますね」と瀧川さんは話します。

これまで結婚指輪や結婚式に関する調査をしたとき、「みんながやるから」「普通のことだから」という理由で行動を決めるよりも、「自分たちにとって継続的な価値を感じるかどうか」で判断する傾向があったと言います。

「例えば、結婚式や新婚旅行にお金をかけるよりも、自分たちが気に入ったソファがあれば、ちょっと高価でもそちらにお金をかけたいと考える。指輪に関して言えば、ひと昔前は、結婚指輪はシンプルなプラチナが主流でしたが、今はデザイン性の高い様々な指輪があって、自分たちの好みに合ったものを選ぶ傾向もあります。指輪は、夫婦であることを示す『形式』にすぎません。お互いが愛し合っているという実感さえあれば、指輪をつける、つけないは、二の次のはずです」と話します。

ケースに入れて飾っている

「ん」さんのトピに対し、「ちょっと変わり種のレスです」と投稿したのは、「さらしな」さんです。「13年前に夫が他界。最初は4畳半いっぱいにあった遺品ですが、持ち主のいないモノは存在意義をなくします。ひとつ、またひとつと処分していき、最後に残ったのが、結婚指輪。プラチナとゴールドで、購入したときには、2つで7万円だった品です。これが、夫婦だった証しの最後のものなので、私が死ぬまでとっておくことにしました。ケースに入れて飾ってあります。私が死んだら売っぱらうようにと、子どもたちに遺言してあります」というエピソードを寄せています。

モノに込めた思いは、長い時間を経て、熟成することもあるようです。指輪にどんな思いを込めていきたいのか、まずは夫婦やカップルで話し合ってみてはどうでしょうか。
(読売新聞メディア局編集部 永原香代子)

【紹介したトピ】
結婚指輪着けていますか
婚約指輪・結婚指輪の重要度について

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